トウキョウナイト~ニキの物語~
東京の街は眠らない。
午前1時になっても多くの明かりが人々を照らす。
ニキは15歳。発達障害がある。そのせいもあって子供に見える。
ニキは家を追い出されたばかりだ。
1時間前...
ニキは怒った。ママがチョコレートをにきから奪い取って、「ダメよ。」と言ったから。
ニキは自分の思い通りにならないとすぐに、いらだち、怒ってしまう。
あきれたママは、ニキを追い出してしまった。
ニキは勢いのまま、電車に乗って、新宿まで来てしまった。もう終電はない。
この夜は雨が少し降っていた。
ニキはフードをかぶって、とぼとぼと歩く。
雨の音と酔っ払った人々の声が騒音になってきて、ニキは走る。
ニキは高架下に逃げて、疲れて、眠ってしまう。
「ニキー。ニキー。」
ママの声がして、目を覚ます。
「ママー。ごめんなさい。」
「私こそごめんなさい。」
ママはニキにチョコレートを渡した。
二人は笑って、手をつないで、雪になった東京の街を歩く。