凛の過去②
凛の過去① の続きのお話です。
目が覚めると、そこは見慣れない空間だった。
身体を起こして、辺りを見回すと、部屋には凛以外に誰も居なかった。しばらくぼーっとしていると、看護師の女性が部屋に入ってきた。
「凛ちゃん?!目が覚めた?!先生を呼んで来るから、少し待っていてね!」
そう言うと、部屋を出て行ってしまった。
(え… ここ、病院だ…どうしよう!)
凛は小さい頃から病院が大嫌いなのだ。
そんなことを考えていると、先生を連れた看護師の女性が戻って来た。
「熱を測ってくれるかな?」
渡された体温計を脇に挟む。
ピピピ…
体温計を渡すと、先生の顔付きが険しくなった。
「…少し熱があるね。夜ご飯は食べられそうかな?」
凛は首を振った。
すると先生はニコッとして言った。
「それじゃあ、点滴しようか!」
「い、嫌です!!!」
凛はそう叫んで部屋を飛び出した。
「凛ちゃん!!」
看護師の女性が追いかけてくる。
熱があるせいか、上手く走れない。
簡単に捕まり、病室に連れ戻されてしまった。
病室に戻ってからも、凛は部屋の角にしゃがみこんで駄々を捏ねていた。そうしていると、男性の看護師が2人入ってきた。
「凛ちゃーん?点滴がんばろうー?」
口調は優しいが、凛を抱えてベッドまで運ぶと、抑えたまま点滴を始めようとする。
凛は抵抗するが、男性の力には敵わない。
結局、泣きながら点滴をされ、凛の病院嫌いは悪化したのだった。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
次回も読んで下さると嬉しいです!