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第三百六話 カズキ、初めての野営をする その4

「これはまた・・・・・・」


 狩りを終えたクリスが野営予定地に戻ってくると、目の前には高さ10メートルくらいの頑丈な壁が円形に広がっていた。しかもその壁は魔物の侵入を防ぐためか、足掛かりになりそうな場所もなくツルっとしており、頂上付近はご丁寧にオーバーハングしているのだ。


「地面が僅かに揺れたのはこの壁を造ったせいか。カズキの魔法が凄まじい事は知っていたつもりだったが、まだまだ過小評価してたみたいだな」


 クリスはそう呟くと、壁を超えるべくその場で跳躍した。対魔物を想定している壁も、クリスにとっては何の障害にもならないようだ。


「100人は余裕で収容できそうだな。というか、下手な要塞よりもよっぽど頑丈じゃねえか」


 出入り口らしき場所の壁の厚みを見て独り言ちたクリスは、廊下に設置してある燭台に点っている魔法の光に導かれ、要塞の中を歩く。程なくして広い場所に出ると、そこではエルザが料理の下ごしらえをしていた。どうやらこの要塞には、食事をする場所まで用意されているらしい。


「戻ったぞ」

「獲物は?」


 とっくにクリスの存在に気付いていたエルザは、振り向くことなくクリスに問いかける。


「ウサギが三羽だ。充分だろ?」

「そうね。じゃあ食事が出来るまで、あなたは馬たちの世話をしといてくれる?」

「ヘイヘイ」


 自分に料理ができないという自覚があるクリスは、エルザの指示に従って厩に向かう。その際、食堂から一番近い場所にある部屋を覗いてみると、トイレとシャワールームが完備された個室を発見した。


「至れり尽くせりだな。これからカズキと旅をすれば、野営する必要がなくなるのか」


 節約の為、街や村の宿屋に泊まらずに野宿する事が習慣になっているクリスは、知らず知らずのうちに笑みを浮かべていた。

 二年後、邪神を討伐した後に再び一人旅をする事になった際、贅沢に慣れ切ったクリスは無意識に高級宿に泊まる事になり、そのせいで借金返済が厳しくなるのだが、この時の彼にはそんな事を知る由もなかったのだ。

お読みいただき有難うございました。


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