後編
個人情報保護のため7割しか真実を書けません。
ご了承ください。
Uの家でくつろいでいた謎の占い師親子は
母親が、U母と同じような年代の女性。
もう一人は、20代前半の女性。
20代前半の女性は、よく当たる占い師であるらしい。
Uと僕の身を案じて、Uの母親が呼んだらしい。
占い師の母親は、Uの母親の友人であるらしい。
Bという占い師の女性の服装を見た。
ラフな普段着だ。
普通の人という雰囲気。
占い師Bの母親の服装を見た。
ラフな普段着だ。
目が蛇のようだった。
瞳の底から人を値踏みするような視線を感じた。
トイレに行くふりをして、こっそり占い師Bについて調べても何も検索にHITしない。店を持っていない人たちのようだ。
悪いことが続いているときに占いに頼りすぎるのは危険じゃないか?
U家はもしかして少しピンチじゃない…?
占いを断る事にしようか迷ったが、Uとは中学から大人になるまで友達だったので、適当に占ってもらった。
僕が時々鏡の中に見えている四角い紙の事は占い師には言わなかった。
占い師Bの占い方式はカードと手を見た診断。
手をみて「最近疲れているでしょう」と、大体当たるようなことを言いつつ、難解な何かがかかれた市販のカードを置く方法。
僕の結果は、「先祖の墓参りが足りない」であった。
我が家の先祖は墓参りが足りないだけで意地悪なことしないと思う。子孫繁栄がうちの先祖の願いだったはずだ。そんな妨害はしないのが合理的なはずだろう。
当たらない占いを当たっているかもねと褒めておいて、なんとか占い師Bさんに話を伺う会話に持ち込めた。
「Bさんはなぜ占い師になったんですか?」
「えぇと…占い師の先生に相談したら言われたんです。」
「占い師が占い師に?」
占い師Bさんは、最近まで医療施設に勤めていたらしい。
そして白く丸いもの「など」が見えるようになったらしい。
悩んだBさんは…どこかの占い師に相談したそうだ。
その人に「あなたは幽霊をみる力が強いからそういった職が向いています」と言われたので、職をやめてその人に指導してもらい、細々とフリーの占いをはじめたらしい。
占い師Bさんの目線はちらちらと自分の母親を追っていた。
自分の産んだ子に未知なる力があると信じた母親は嬉しかっただろう。ここには書けない方法で娘を成功させる手段も考えただろう。
Uの家庭にこれ以上介入するのは危険だな、と感じた。
その夜、Uが占いや霊的なたぐいを、まるごと信じるようになってしまったと痛感したからだ。
同じ中学だったU。沢山遊んだ。喧嘩もした。部活も同じだった。「幽霊があんな美人なら逆に会いたい」とTVの心霊番組に色々言っていたUが、今はすっかり変わってしまった。
霊的な何かで具合がわるくなったフリをして、
U家で出されたご飯と茶に全く手を付けずに帰宅した。
その数日後。
鏡に四角い紙がぴったりとついていた。
いつものように通り過ぎるわけでもなく、
僕の部屋に「留まって」い る。目をこすると元の風景に戻った。
これは人間の本能に刻まれた「さわるな危険」みたいなものだろうか。
Uにも呆れたが、僕自身、、他人の痴話喧嘩への応対にしては、お人好しすぎる応対だったか…と反省した。
人に冷たくする事を覚え、自分に合った物件に引っ越してからは、不思議なものは全く見えなくなり、数年が経った。
Uが去年結婚したらしい。落ち着いたようで良かったと思う。
四角い紙の正体は、結局何だったのだろう?
自分の本能が見せた幻だったのかもしれない。
哀しい占い師がみせた幻だったのかもしれない。
Uを騙した元恋人が何かしていたのかもしれない。
紙は長方形だった。
見えないものからの手紙は
やさしいものであれ、こわいものであれ、
二度と見てはいけないものだと思う。
「四角い紙にハサミを」
終