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大災害

僕達が立っているのは、見渡す限りの荒れ地。


これが、クォ=ヨ=ムイの口車に乗せられて『人類を、世界を救う為だ』と二百万倍に加速された状態で動き回った結果……


『くそ……っ!』


と思わず毒づくけど、口から洩れるのはやっぱり「ヴウッ!」って感じの唸り声だった。


だけど吉佐倉よざくらさん達が助かったのは、せめてもの救いなのか……


……ううん、違う…! そんな風に割り切れるものか……!


だいたい、いくら命が助かったって、彼女達はこれからこんなになった世界で生きていかなきゃいけないんだ。


被害がどれほどのものになるのか見当も付かない。果たしてここから立て直すことができるのかどうかも分からない。三百体の怪物を倒す為に世界中に移動した。世界規模でこれと同じくらいの被害が出てるはずだ。間違いなく世界的なパニックになる。しかも普通の人達にとってはまったく原因不明の大災害でもある。


もしかしたら、敵対してる国からの攻撃だと考えて報復攻撃に出る国もあったりするかもしれない。そうすれば世界的な戦争になる可能性だってある。


そんなことになったら……


『あの怪物を放っておいた場合とどっちが被害が大きかったんだ……?』


分からない…まったく分からない……!


でもその時、呆然としていた僕の耳に、アリーネさんの怒声が。


「You Bastard!!」


ハッと意識を向けると、その手には何か黒いもの……!


『拳銃…!?』


拳銃だった。どこで手に入れたのか……いや、僕達からしたら周囲は止まってるみたいなものだし、意識すればどこへだって移動できたんだから、銃が普通に流通しているところに行った時についでに拝借ってことだってできてしまうのか。


アリーネさんなら悪用はしないだろうとは思いつつも、やっぱりそうやって勝手なことをすることの怖さも感じてしまった。


でも今はそれどころじゃない。


「グゥアッ!!(やめて!!)」


アリーネさんはクォ=ヨ=ムイに対する憤りからそうしたんだろうけど、自分がこうなってみて改めて実感した。この邪神には絶対に敵わないって。これに歯向かえば大変なことになるだけだって。悔しいけど、許せないけど、こいつは<災害>と同じなんだ。人間の力ではどうすることもできない、ただやり過ごすしかできないものなんだって。


マンガやアニメみたいに抵抗したら、盛り上がる展開なんて何一つなく一瞬で存在自体をなかったことにされる相手なんだって。


パン! パンッ!


って小さな爆発音が空気を叩く。アリーネさんがクォ=ヨ=ムイに向けて銃の引き金を引いたんだ。


だから僕は、空気を裂いてクォ=ヨ=ムイ目掛けて奔る小さな塊に飛び掛かり、それを口に咥えたのだった。



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