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エレーナ・シュミットの困惑 その2

念願の日本にこられたというのに、私の心は晴れませんでした。


当然でしょう。こんな異様な状況に巻き込まれてのことなんて。


アニメの中ではどんなに恐ろしい現象が起こっても私は安全なところからそれを見ていただけですし、私の身近な人がそれに巻き込まれることもありません。


カタリーナも、デボラも、ヨハンも、アニメの中で何が起こっても命を落とすなんてことはなかった筈なんです。


私はもう、頭がおかしくなりそうでした。


ただ、それでも、ミホという女の子は、私が昔から好きだった変身ヒロインの今まさに現役のファンで話が弾み、いくらかは癒されたと思います。


また、大学生のアヤノは、ミホほどアニメは見てなかったようですが、とても優しくてそれも癒されました。でも、彼女の様子を見てるとどうやらレズビアンかもしれないと思いましたが。同性カップルの愛情物語も尊いですね。


また、後から加わったフィリピンの小学生、シェリーも、アニメが好きな子で、私とミホとシェリーとで集まり、大人達が怪物退治をしている間、大人しく待つことにしたのでした。


私もあの恐ろしい怪物の姿はもう見たくありませんでしたし、ミホやシェリーにも見せたくないと思いました。


それに、怪物退治を任されている、癌を患い、既にステージⅣだという男性が怪物を退治していく姿も痛々しくて見ていられません。


既に手の施しようがなく、終末医療を受けているという段階のその男性は、時間を追うごとにみるみる弱っていって、満足に立ち上がることもできないようでした。


アニメの中では奇跡も起こってそのような状態からも回復したりしますが、やはり現実ではそのようなことはないのだと思い知らされます。


私はただ、この悪夢のような出来事が早く終わって欲しいと願うだけです。


私の大切な友達を奪ったこの悪夢が。


ああ、本当に、ただの悪夢だったらよかったのに。私はベッドの中にいて、寝ぼけて目覚まし時計を止めてしまってて、ハッと気付いたら遅刻寸前で、頭には寝癖を付けたまま、トーストを食えて学校への道を必死に走り、出会い頭に素敵な男の子とぶつかって恋が始まる、なんていう話だったら、現実になってくれてもよかったのに。


どうしてこんなことになってしまったのでしょう。カタリーナが、デボンが、ヨハンがいったい何をしたというのですか? 命で贖わなければいけないことでもしたというのですか?


こんな理不尽なことが現実で起こるなんて、悲しすぎます。アニメの中で起こっても悲しいのに、それが本当になってしまうなんて……



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