表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/93

プレイ

『ただの<余興>だよ』


クォ=ヨ=ムイがこともなげにそう言ってのけた瞬間、俺は、怒るとか憤るとかを通り越して、ただ唖然としてしまった。<神様>ってのは、こんなにいい加減なのか?。理不尽だとは思ってきたが、これはそんなことも通り越してる。人間を馬鹿にするのもほどほどにしろ!!


なんて考えたら、当然、その思考も読まれていた。


「人間を馬鹿にだと?。とんでもない。馬鹿になどしてないさ。私にとっては可愛い可愛い愛玩動物だからなあ?」


『…こいつ……!』


「いいぞ、その表情(かお)。実に愉快だ! これだから人間は面白い!


くは、くはは、くぁははははっははっはははははははは!!」


およそ<邪悪>としか言いようのない表情(かお)で、クォ=ヨ=ムイは高らかに嘲笑(わら)った。


「いい! いいな! お前、いいぞ! よし、こうなればお前に<褒美>をやろう! 見事奴らを始末できたら、お前の癌を治してやる!


いや、それだけじゃ物足りんか。そう言えば<チート主人公>とやらにはハーレムがつきものだったな。うん、そうしよう。女を助けたら、その女もお前と同じように動けるようにしてやろう。そうしてハーレムを築くといい!


どうだ? やる気が出たか?」


嘲るようにそう言いながら、クォ=ヨ=ムイは指をパチンと鳴らした。


その瞬間、


「…パパ…? ママ……?」


という声が聞こえた。声のした方に視線を向けると、今、僕があの怪物から助けた女の子が、動かない両親の体をゆすりながら不安そうに見上げてるのが分かった。


そういうことか……!


「ハーレムって…? 何がハーレムですか! こんな小さい女の子、僕にどうしろって言うんですか!?」


僕にそんな趣味はない! 馬鹿にするのもいい加減にしてくれ……!!


急に大きな声を上げた僕に、女の子はビクンと体を竦ませて怯えた目で僕を見た。当たり前だ。


なのにクォ=ヨ=ムイは、


「なんだ、お前。贅沢な奴だな。それとも私の方が良かったか?」


と言いながら、白いブラウスに包まれた胸を持ち上げるようにして、舌なめずりした。その淫猥さに、背筋がぞくっとなる。


正直、体の方が反応してしまいそうだった。確かに、見た目だけなら彼女の方が好みに近かった。僕は基本的に、大人の女性が好きだから。


「くくく、正直な奴だ。いいだろう。どうせこの体も今回の為に用意したただの小道具に過ぎん。好きにすればいい。なんなら、犯して殺してもいいぞ? 私はそういう<プレイ>もありだからなあ」


そう言って艶めかしく微笑(わら)う彼女に、僕はただ戦慄しか覚えなかったのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ