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ユウカの思い付き

本人が望んでいないのに、一方的に交流しようとするのはやはり好ましくないのだろう。だからポルネリッカのことは放っておいて構わないのだが、ユウカとしてはヘルミ同様に気になる存在だった。


『自分の姿がないって、どんな感じなんだろう…』


ユウカにとってはそこも気になるところらしい。自分の姿がないということは、自分がないということのような気がして。


ユウカも、ここに来る以前には自分がない状態だったと言えた。親の顔色を窺い、他人の顔色を窺い、周囲に合わせて自分を押し込めて自分をなくして。あの頃の自分だったら、姿をなくすことができるならそうしたかったかもしれない。でも、今は違う。今はちゃんと自分がいて良かったと思ってる。できればヘルミやポルネリッカにもそう思って欲しい。


だけど自分に何ができるのかはさっぱり分からない。そんなことをぼんやり考えながらいつものようにアニメを見ていた時、今自分が一番好きなアニメのエンディングがテレビから流れていた。その画面を見ていた時、ユウカはハッとなった。その曲の作詞家の名前にところに、ポルネリッカの名前があったからだ。


もちろん、それは以前から気付いていた。最初に見た時にポルネリッカの名前を見付けて、自分と同じアパートに住んでる人がこの曲の作詞家だと思うと、何とも言えない高揚感があった。だがその時はそれだけだったのに、改めて別のことに気付いてしまったのだ。


『あれ?。ということは、ポルネリッカさんに仕事として作詞とか依頼することはできる…?』


ユウカは、その曲の詞も好きだった。届けたい思いがあるのに届けることができないもどかしさがすごく表現されてて、『分かる分かる~!』と身悶えたりもした。じゃあ、ユウカ自身がヘルミやポルネリッカに届けたいと思っている気持ちを詞にしてもらえたらどうなんだろう?。少しくらいは伝わるかも知れないと思ったのだ。


実は、それはもう既に過去にも何度も試された方法だった。それでもポルネリッカには届かなかった。ヘルミに対してはまだ試されていないが、結果は同じだろう。だが、だからと言って諦める必要もない。ここでは時間は無限に等しいくらいにあるのだ。『時間がない』という言い訳は通用しない。それに正式に仕事として依頼するなら、何も問題はないのだから。


「シェルミさん。ポルネリッカさんに作詞の仕事を依頼するとしたらいくらかかりますか?」


知識の面ではジャンルを問わずこのアパートでは圧倒的に優れているシェルミに、ユウカはとりあえず尋ねてみた。するとシェルミは、


「内容によっても変わりますが、最低五万ダールからとなっていますね」


と、自らが持っているデータを目の前の空間に表示させながら当たり前のように応えてくれたのだった。


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