四人でお風呂
トイレは共同と言っても他の住人が家族のようなものであるならそれも気にならない。湯船に浸かりたいならそういう物件もあるし、そこでもやっぱり家族のように迎えてもらえる。銭湯だって料金はものすごく安い(現在の日本の感覚で言えば一般的な銭湯の十分の一以下)なので、仕事帰りに立ち寄ったりするなら、自分で風呂掃除をする手間を考えればむしろ安上がりかもしれない。しかも銭湯自体が多く近所にいくつもあるので、好みのところを選んだり気分によって変えたりするということも出来た。
来たばかりの頃は銭湯に抵抗感があったユウカも、今ではすっかり馴染んでしまっていた。しかも今日は、ガゼ、メジェレナ、レルゼーも伴って四人での銀河湯である。
生まれたままの姿になるユウカをドキドキしながら見ているガゼに対して、メジェレナとレルゼーは冷静だった。が、特に意識してる様子も見られないメジェレナに比べると、レルゼーはじっとユウカを見ていたりするのだが。
「やだ、レルゼーさん。そんなに見ないでください。恥ずかしいから…」
そう言って顔を赤らめながら体をタオルで隠してもじもじするユウカの姿に、ガゼの顔はますます真っ赤になっていく。鼻血でも出すんじゃないかというほどに。一方のレルゼーはやはり表情を変えることはなかった。実に対照的な二人と言えた。
浴室に入ると、ガゼはユウカに頭を洗ってもらっていた。と言うのも、ガゼは来た時にはまだ幼かったからか、頭の洗い方が非常に適当で雑だったのである。そのためか出会った当時は髪の痛みがひどく、まるでライオンのたてがみのようだったのだ。それをユウカが一緒にお風呂に入るようにして頭を洗って手入れもするようになったから、リボンが似合うサラサラの髪になったという経緯がある。ガゼがユウカを好きになった理由の一つが、そういう気遣いに惹かれてということでもあった。
ガゼも、本人に悪気はないのだがどうにもその生い立ち故か、大雑把で粗暴ですぐにカッとなる部分があった。そういう部分ではヘルミに近いのかも知れないが、一方でヘルミとは違って人懐っこく愛想はいいので接客にも向いているとして、リーノ書房の店頭に出るようになったものの、以前の見た目はそんな感じですごくワイルドだった。見たままの野生児とでも言うべきか。
しかし、ユウカという御者を得て、ガゼもかなり変わったと言えた。接客も丁寧になり、客からの評判も上々だ。ユウカの存在がそういう形でも良い影響を与えているということで、店長のハルマもユウカを評価していたのだった。




