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ロックバンド<レルゼリーディヒア>リーダー、カハ=レルゼルブゥア

「彼女は私のバンド、レルゼリーディヒアの元ヴォーカル。傷付けたりしない…」


そう静かに語るカハ=レルゼルブゥアに、ユウカもガゼも呆気に取られていた。それでもガゼがやっとという感じで言葉をひねり出す。


「レルゼリーディヒア(焼き尽くす者)って言ったら有名なロックバンドだよね。私はロックにはあまり詳しくないけど、そんな私でも聞いたことある。そう言えば、リーダーは邪神だって…」


ガゼの言葉でようやくユウカもいくらか状況が掴めて、ヘルミに抱きついたままだったが改めてカハ=レルゼルブゥアの無機質で無表情な白い顔を見上げた。そんなユウカにヘルミが忌々しげに言う。


「いつまで抱き付いてんだ、鬱陶しい!」


「ご、ごめんなさい…!」


慌てて離れたユウカからも目を背け、ヘルミは「チッ!」と舌を鳴らした。


「ヘルミ…、せっかく会えたからここで言う。私達のバンドに戻る気はない…?」


そう問い掛けられて、ヘルミは再び「チッ!」と舌を鳴らして、「またその話かよ…」と吐き捨てるように言った。


「誰が邪神のバンドなんかに戻るか。ふざけんな…!」


と言い残し、ヘルミは背を向けて去ってしまったのだった。


後に残されたは、やはり無表情なまま立ち尽くすカハ=レルゼルブゥアと、状況についていけずに戸惑うばかりのユウカとガゼだけであった。ショップの店員も行き交う通行人も、三人のことをそれほど気にするでもなく少しちらりと見るだけである。このくらいのことでは、ここに長くいる者達は動じないのだ。


カハ=レルゼルブゥアは、どうしていいか分からないといった感じで佇むユウカとガゼに向かい、「ごめんね…」と静かに言葉を発した。それでようやく少しだけホッとした二人に、彼女は続けた。


「あの店であなたのことが気になって話し掛けようとついてきたんだけど、私、しゃべるのあまり得意じゃないから怖がらせてしまったみたいだね…」


感情は込められていないが決して悪い意味には感じられないその言葉に、ユウカは思わず聞き返した。


「…って、それはつまり…?」


そんなユウカに、カハ=レルゼルブゥアは少しだけ目を伏せた感じで言ったのだった。


「私と、友達になってくれないかな…。あなたのこと、一目で気に入ったの…」


『…え…?、えええ~っっ!!?』


カハ=レルゼルブゥアが、惑星をたやすく丸焼きにするほどの力を持つ邪神が発したあまりに意外な言葉に、ユウカは跳び上がりそうなほど驚いた。


そして、ガゼも、ユウカとは少し違った意味で驚き、ただでさえつぶらな瞳をさらに真ん丸にしていたのであった。


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