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タミネルとリル

普段のタミネルならそんなことはまず口にしないだろう。実際、これまでユウカはそんな姿を見たことがなかった。だが、<発情期>のために感情が昂っている状態だったことでつい口走ってしまったということだ。


だが、そんなタミネルを見て、ユウカもハッとなっていた。普段はすごくしっかりした感じに思えたタミネルも自分と同じだったことに、安心感と言っては語弊があるかもしれないが、すごく距離が縮まるのを感じたのだった。


だからユウカは、自分が仕事を頑張らないといけないと思った。大変そうなタミネルの分も自分が頑張りたいと素直に思った。ふわりと柔らかく笑顔を浮かべて頷いて、それからは黙々と仕事をこなした。


しかしタミネルのそれは十五日ほど続くものだったので、リルがバカンスから帰ってきて仕事に復帰すると、


「お、タミネル。アレか。大変だね」


と顔を見るなりそう軽口を叩いた。タミネルはそれに対して少し困ったような顔を見せたが、リルが決してからかっているのではないことは分かっていたから特に何も言わなかった。


そのやり取りに少し居心地の悪さを感じて戸惑っていたユウカに対してリルは、


「ユウカもあるんだろ?。アレ。それと同じだよ。私らのよりちょっと見た目にも現れるだけ。心配要らないよ」


と当たり前のことを教えるように自然な感じで語った。それでユウカにも『そういうことか』とようやくピンと来て、少し顔を赤くして俯いてしまった。だがそのおかげで、それ以降は必要以上に意識せずにいられるようになった。自分も必要以上に気遣われるよりもそっとしておいてもらう方が助かるから、そうしようと思ったのだ。


生真面目で責任感が強く頭は良いが決して要領が良いとは言えないタミネルと、陽気で軽薄で口が軽そうに見えるが実は気遣いも出来るリルの組み合わせは、ここの仕事の確実さと人間関係の良好さを保つためには必要なものだというのが感じられた。


それに加えて、種族が違うということはそういう生理現象についても違いがあるということを改めて実感させられた。そんな違いをちゃんと理解して受け止めていかないととも思えた。そう思えるユウカは、確かに成長していた。怯えておたおたするばかりだった彼女の姿は鳴りを潜め、他人を気遣えるだけの器を持ち始めていたのだ。


だから最近、アーシェスもそう頻繁には顔を出さなくなっていた。ユウカのフォローもまだもちろん必要だが、次のエルダーへの引き継ぎも大事な仕事である。そして何より、ヘルミのフォローに忙しかったのだった。


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