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カレカドラ・キャサンドラ・アリスリス。リサイクルショップ満天星店主

相変わらず、すれ違う人の多くがアーシェスに挨拶をしてくる。彼女の顔の広さは本当にすごいものだとユウカは感じた。自分が同じようになれるとは思わないが、それでもいずれは当たり前のように挨拶を交わせるようにはなるのかとも思った。


リーノ書房とは逆方向に十五分ほど歩いたところで、アーシェスが立ち止まった。


「ここだよ」


そう言いながら視線を向けたのは、一見するとただの倉庫のような建物だった。するとその時、中からガラガラとシャッターが開けられるのが見えた。ちょうど開店の時間ということだったらしい。


「あ、いらっしゃいアーシェス。新しい子かい?」


にこやかに声を掛けてきたのは、頭に羊のような角を付けた、ややふくよかな感じの中年女性といった風情の人だった。


「おはよう、キャサドラ。元気そうね」


と返したアーシェスに続いて、ユウカも挨拶をした。


「初めまして。石脇佑香いしわきゆうかです。ユウカって呼んでください。リーノ書房で働いてます」


可愛らしくてしかも丁寧な挨拶に、キャサドラと呼ばれた女性はみるみる相貌を崩した。


「あらあら、これはご丁寧に。そう、ハルマのところで働いてるのね。偉いわ。じゃあ、今日は奮発しなくちゃね。どれでも持っていってもらっていいわよ」


キャサドラは、残りのシャッターも開けながら嬉しそうに言った。その間にアーシェスが、


「彼女はこのリサイクルショップの店主でカレカドラ・キャサンドラ・アリスリス。ちなみにカレカドラっていうのは彼女のお母さんの名前で彼女の種族の風習でそうなってるということだから、彼女の名前はキャサンドラね」


と紹介してくれた。それに付け加えてキャサンドラが補足する。


「カレカドラの娘のキャサンドラっていう意味よ。私たちの種族は家族の結び付きがとても強いの。ちなみに男の子の場合は父親の名前が先に来るわ」


特に必要な情報でもないが、まあ会話のきっかけとするための<掴み>ということなのだろう。とは言え、ユウカには少々合わなかったようだ。


「おじゃまします」


残念ながら振ってくれた話にうまく乗れなかったものの、それでも気さくな彼女の人柄が伝わってきて、ためらわずに店の中に足を踏み入れることができた。


店の中を見渡すと、いろいろなものが置かれていた。テレビやパソコン、オーディオや生活家電は元より、椅子やテーブルといった家具類も充実してるようだった。


それだけじゃなく、何に使うのかユウカにはさっぱり分からない、不可思議な装置らしきものも置かれていたりするのだった。


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