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本当に一人暮らしを始めたんだなあ

『あれ…マウスとかってどうするんだろう…?』


画面にカーソルらしいものが表示されているからマウス操作と思ったが、肝心のマウスがない。どうしようと思って何気なくEIpodエイポッドに触れると、カーソルが僅かに動いた。もしやと思ってEIpodそのものを動かしてみると、


「わあ、これがマウスにもなるんだ。すごーい」


と思わず声が出た。


「キーボードは…?」


そう呟きながら、画面の端に表示されていたキーボードらしきアイコンをクリックすると、テーブルに光のキーボードが表示された。EIpodの側面から光が出てて、それがテーブルの上にキーボードを映し出しているようだった。プロジェクションキーボードと言われるもののようだ。


「すごいすごい」


はしゃぎながらテーブルに映し出されたキーボードを叩くと、画面にはやっぱり知らない文字が映し出された。意味は伝わってくるが、どうにも違和感がある。そこで<言語切り替え>と書かれたキーに触れてみると、<地球語>と描かれたダイアログが画面に表示されて、一覧の中に日本語もあった。操作している人間の種族を感知し、惑星単位まで自動で絞り込んでくれるようだ。それをクリックすると、キーボードの表示が見慣れたアルファベット表示のものになり、試しに打ち込んでみるとローマ字入力になっていたのだった。


「お~っ!」


<書庫>の中では、ここを作った種族の言語が共通言語とされてるものの、それをわざわざ覚えようという者はほとんどいなかった。それぞれ自分が慣れ親しんだ言語を使ってるだけである。それが自動で翻訳されるのだから何も困らないのだ。そのことを責める者もいない。責める必要もない。


興奮してあれこれページを見て回ったりしてたが、さすがにマウスもキーボードも兼ねた一体型の入力デバイスというのは少々使いにくいし、ネットをしてるとテレビが見られないというのも辛いと感じた。なのでやはりノートPCのようなものがあればと思ったのだった。


その後もアニメを見たりネットしたりとしているうちについ夜更かししてしまい、ユウカは若干興奮した状態のまま一人でベッドに横になった。思ったほどは寂しくなかった。寂しかったらアニメを見ればいい。それが心の余裕になってるのかもしれない。それに、メジェレナやシェルミもこのアパートにはいる。ポルネリッカやヘルミのことは少し不安でも、住人同士でなにかトラブルになってるような様子もない。だから心配する必要はないんだと感じた。


『私…、本当に一人暮らしを始めたんだなあ……』


その実感をしみじみと噛み締めながら、ユウカはいつしか眠りについていったのだった。


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