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自分で生活する為に、いろいろ学ぶべきことはあります

結局、ユウカはお風呂には入らず、お風呂を堪能してほっこりした表情になったアーシェスと一緒にアパートへと帰った。その途中、アーシェスがユウカに言った。


「ごめんね。お風呂でゆっくりしてリラックスできたら私も自分が変に焦ってたことに気付いちゃった。ちょっと強引だったよね」


なぜ焦ってたのかは分からなかったけれど、このアーシェスですら焦ることがあるんだというのが分かってユウカはむしろホッとするものを感じていた。


アパートの前まで戻ると、シェルミとばったり出くわした。仕事帰りだったらしい。


「今お帰りですか?」


表情が分からない無機質な顔なのに、なぜかすごく優しく見つめられてる気がした。声が穏やかで、物腰が柔和だからかも知れない。


「こんばんは」


そう頭を下げた時、ユウカはふと思い立った。


「あの、今からシェルミさんのお店に行ってもいいですか?」


自然な感じでそう切り出せた。以前ならかなり馴染んだ相手でないとできないことだった。そんな彼女に、シェルミが微笑んだように見えた。表情は動いてないはずなのだが、なぜかそう感じたのだ。


「もちろん、いつでもお気軽にお越しください」


そのやり取りをアーシェスはどこか嬉しそうに微笑んでる感じで見ていた。ユウカが順調にここでの生活に馴染みつつあるのを実感したのだろう。


そのままシェルミの部屋のランジェリーショップに行き、替えのショーツをとりあえず五枚買った。それから部屋に戻り、洗濯カゴに入った洗濯物を見て、『洗濯しなくちゃ』と気が付いた。三日分の洗濯物が溜まっていた。


ユウカが洗濯カゴを見ていることに気付いたアーシェスが言う。


「アパートの横がコインランドリーになってるからそこで洗濯したらいいよ」


そう言われてアーシェスと一緒にアパート横のコインランドリーで洗濯をした。月経が始まったことで汚れたショーツは部屋のシャワールームに置いてきた。シャワーを浴びる時に一緒に洗うためである。


コインランドリ-で洗濯機を前にしても、母親に触らせてももらえてなかったことで操作に戸惑うが、それもアーシェスに教えてもらうことで、生まれて初めて自分で洗濯をした。本当に自分が何も知らなかったということを思い知らされた。


ユウカの母親のように、子供に何もさせないというのは過保護と言うよりも過干渉と言うべきだろう。子供が家事に興味を持ちお手伝いしたいと言い出した時に、子供のそういった自主性や自立心の現れを、過度の干渉により摘み取ってしまうのは、決して<保護>ではない。


ユウカは一人でここに放り出されはしたが、同時に親からのそういう過干渉から解放されたとも言えたのだった。


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