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一日二十八時間、一年三百九十七日。そして常春

店で買ってきたものを一通り片付けた頃、既に昼近くになっていた。時計も買ってきたのでテーブルに置いたが、アーシェスが操作して地球時間に合わせたアナログ表示にすると、数字が一から十四まであった。つまり、一日が二十八時間ということだ。


「地球の時間と多少はズレると思うけど、これはもう慣れるしかないよね。そういうことも含めて慣れるまでの間は、その人の生活リズムとかについてとやかく言わないというのもここの暗黙のルールよ。何しろ、惑星によっては一日が八時間だったり四十時間だったりするところもあるし、そこまで差がある場合は慣れるのが大変だから」


言われて見れば納得だった。地球以外の惑星が地球とまったく同じということの方が確率的にはありえないと言っていいほど低いだろう。同じ太陽系でも、地球と火星では、一日の時間は大きく違わないが、地球の一年が三百六十五日なのに対して火星は六百八十日ほどだったりするのだ。それを考えるだけで異なる惑星の種族が同じところで住むことの難しさが分かるというものである。


「<書庫>の時間については、ここを作った種族の母星のそれを基準にしているの」


そう言いながらアーシェスは、時計を見つつ説明を続けた。


「え、と、地球時間で言えば一日は二十八時間ほど。一年は三百九十七日ってことね。ちなみに季節はないわ。このニシキオトカミカヌラ地区は一年を通してずっと温暖よ。でも、地域によっては熱帯だったり寒冷だったりするから、季節感とか味わいたかったら他の地域に遊びにいく形になるわね。私も年に何回か、熱帯の地域に行って海で泳いだり、寒冷の地域に行ってスキーしたりするのよ」


「はあ…」としか、ユウカは言葉が出なかった。何もかもが初めての経験だから、そうだと言われればそれを受け入れるしかないのは彼女にも分かった。ただ、ずっと温暖というのは正直言って助かると感じていた。熱いのも寒いのもあまり好きではなかったからだ。もっとも、そのあまりに季節を感じない環境に後々戸惑ったりもするのだが、それはまたいずれ語られるだろう。


アーシェスの説明も一区切りついたところで、昼食にすることになった。冷凍チャーハンだ。電子レンジがあればよかったのだが、残念ながら今はないので、さっき買ってきたフライパンで炒めることになった。


「温めるだけだから簡単だし、ユウカもやってみる?」


アーシェスにそう言われて、フライパンにかけられた冷凍チャーハンを、まんべんなく火が通るようにお玉でかき混ぜた。実は、こういうことも初めてだった。ユウカの母親は余計な手間を嫌って彼女に手伝いをさせなかったのだった。


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