表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/200

それぞれの日常

買い物を終えてアパートに戻ると、キリオがちょうど玄関を出るところだった。


「やあ、ユウカ。今日も可愛いね」


当たり前のように挨拶としてそういう言葉が出てくるキリオに、ユウカは苦笑いしか返せなかった。ヌラッカのことが頭に浮かんだからというのもある。


「今日は仕事が入ってるんだ。うちのマネージャーが優秀で大変さ。僕はもう少し抑えたいんだけどね」


そう言いながらキリオは自転車を出してきてそれに乗り込み、颯爽と走り去ってしまった。そういうところだけを見ると確かに恰好良くてさすがにモデルだなとは思わされた。


「ヌラッカは歯科技師だから先に出勤したのね」


アーシェスが補足するように言葉に出した。そう言われれば昨日、そんなことを聞いた覚えがある。などと考えながら荷物を持って自分の部屋に向かった。


「あ、おはようございます」


部屋に戻る寸前、六号室のドアが開いて中からクォ=ヨ=ムイが出て来た。昨日とは別のものだがやはりグレー系のビジネススーツに身を包みつつも、その全体から漂ってくるのは何故か夜の雰囲気だった。もう少し派手な感じのスーツだったりしたら完全に水商売の女性っぽさがある。気怠そうな眠そうな表情と、微妙に体が常に揺れていて、相手を誘っているかのような隙を感じさせるからだろうか。


「おはよ…」


ポツリと呟くように一言だけ返し、仕事にでも行くのか階段を下りて行ってしまった。だがユウカはそこで気が付いた。


『そう言えば、クォ=ヨ=ムイさんの仕事って聞いてなかった気がする…』


それを察したアーシェスが言った。


「彼女は仕事はしてないわ。あの恰好は単に習慣でそうしてるだけみたい。仕事しなくても何でも自分で作り出せるし。ただ、仕事じゃないけどいろいろと付き合いはあるみたいで、ああしてしょっちゅう出掛けて行くのよね」


その言葉にも気になるところがあった。『付き合い』とは何だろう…?。それにもアーシェスは応えてくれた。こういう時に相手が何を考えてるかというのが、その豊富過ぎる経験から分かってしまうのだろう。


「基本的には、同じ邪神とかと集まってるみたい。そこで、勝負とかもしてるらしいのよね」


「え?、勝負?」とユウカは驚いた顔でアーシェスを見た。さすがにラブクラフト全集なども読んでるだけあって、邪神同士で勝負とか不穏さしか感じなかったからだ。が、アーシェスはやれやれという感じで肩を竦めただけだった。


「どんなに派手にやり合ったって、精々殴ったり蹴ったり程度の威力しか再現されないから、ただのレクリエーションみたいなものだけどね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ