いざ、外出
アーシェスは自分の服に着替えて、ユウカはキリオからもらった中にあった、少し華やかな感じの、でも派手すぎない淡い黄色のワンピースに着替えて外へ出た。靴はスニーカーしかなかったが、今のところは仕方ない。
「生活に必要なものをちゃんと揃えなきゃね。これは、私からのプレゼントだよ」
そうは言ってくれてるが、やはり恐縮してしまう。そういうのも慣れているのか、アーシェスはにっこりと笑った。
「大丈夫。私、お金には余裕あるの。ざっと三百年くらいは何もしなくても暮らせる程度にはね」
それがどれほどの金額かはピンと来なかったが、少なくとも負担にはならないと感じられて、少し気が楽になった感じがした。
そしてアーシェスの後ろについて歩く。昨日もそうだったが、本当に奇妙な街並みだと思った。建物は和でも洋でもなく、しかも道路は石畳なのに、どこか日本の住宅街の路地のような雰囲気もあった。道幅も狭く、自動車は到底通れそうにない。
すれ違う人はやはり一目見て地球人じゃないと感じるのがほとんどだった。だが、基本的なシルエットとしては地球人である自分とそんなに違わなかった。頭があり腕があり脚があり、いわゆるヒューマノイドタイプと言われるような人間が多かった。アーシェスも言っていた通り、ここはそういう人間たちが主に暮らす地域なのだ。
昨日と同じようにすれ違う人のほとんどが顔見知りらしく、アーシェスは挨拶を交わしながら歩いた。まあ、二百万年も生きていれば顔見知りが増えても当然か。
しばらく歩くと、少し大きな建物が見えた。スーパーのようにも見えるし、ホームセンターのようにも見えるが、どちらにしてもこの辺りの住人が買い物に訪れる店だというのはすぐに分かった。
中に入ると、やはりスーパーとホームセンターが一体になったような作りの店だった。だが、広さはそれほどでもない。食品のみ扱っているスーパーよりは少し大きい程度だろうか。食品売り場と日用品売り場の面積がほぼ半分ずつといった感じだった。
しかし今日は食品についてはそれほど急ぎではない。アパートの住人たちからの差し入れのおかげで冷蔵庫はすでにいっぱいだ。だから今日は、日用品を手に入れるために来たのである。
ティッシュ、鏡、ブラシ、洗剤、掃除道具、ハンガー、洗濯用品、リュック、折り畳みカート等々、取り敢えず必要なもの、必要そうなものをショッピングカートに乗せてレジに行った。するとアーシェスはカードで会計を済ませた。それから品物を段ボールに詰め、それを買ったばかりの折り畳みカートに括りつけて、ひとまず買い物は終わりとなったのだった。




