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初めての夜(期待しても何もありません)

部屋には、浴槽はないけれどシャワーが供えられていた。すぐ近所に銭湯もあるそうなので、湯に浸かりたいならそちらに行くことも可能だ。着替えはある。タオルもバスタオルもシェルミが改めて贈答用のを差し入れてくれた。ボディーソープとシャンプーやコンディショナーも、マニが溜め込んでいた試供品がもらえた。本当に、何から何までお世話になりっぱなしだった。


本当は湯船に浸かりたかったけど、今日はさすがにシャワーだけで我慢した。この上、銭湯デビューするのはさすがに辛かった。他人のいるところで裸になるとか、本当はすごく苦手だった。だから学校の体育で着替えるのも嫌だったし、水泳なんてそれこそ休めるものなら休みたかった。水着は下がショートパンツ型のセパレートになってたのは唯一の救いだった。昔のスクール水着なんて絶対無理と思ってた。


この部屋のシャワーにしても、本当に狭いユニットタイプのシャワー室だから、脱衣所も当然なくて、アーシェスに背中を向けてもらって服を脱いだ。中はさすがに綺麗で、お湯もちゃんと出た。体を洗って頭を洗って、それを一気にシャワーで流した。気持ち良かった。


コンディショナーで髪をケアして最後にもう一度流して、シャワー室の扉をそっと開けた。アーシェスはちゃんと背を向けてくれてた。床に置いたバスタオルを拾って体を拭いて、シェルミにもらった生理用ショーツを穿いて、キリオからもらった服の中から部屋着にちょうど良さそうなシンプルでふわっとした感じのワンピースを身に着けると、なんだかとてもすっきりした気がした。


「じゃ、次は私が入らせてもらうね」


アーシェスはそう言うと、パパッと服を脱ぎ捨てた。ユウカは慌てて背中を向けた。見られるのももちろん恥ずかしいが、他人の体を見るのも気恥ずかしくて苦手だった。


「バスタオルと着替え、ここに置いとくね」


アーシェスがシャワー室に入ってからそう言って、やっぱりキリオからもらった服の中からTシャツを着替えとして扉の脇に置いた。体が小さいからそれで十分だった。


ドライヤーはまだないので自然に乾くのを待つ間、いろいろ話をした。この地域はユウカのようなヒューマノイドタイプの人間が集まる地域で、他にもいろんなタイプごとに地域が分かれてるとか、まずは仕事を探さないといけないとか、ここでの暮らし方についての具体的な説明だった。


髪も乾いてそろそろ寝ようとなった初めての夜。ユウカはアーシェスと一緒にベッドに入った。


「おやすみ」とアーシェスが言い、


「おやすみなさい」とユウカが応えた。


別に何をする訳でもない。ただ一緒に寝ただけだ。だけどユウカにとっては大きな安心感を生んだ。だから昼間はあんなに不安だったのに、自分でも驚くくらいすっと寝られたのだった。


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