あかのうた
あかに惹かれる
あかの芳香と形容と情熱に魅せられてしまう
その不確かな声を聞きわけながら微睡むと
クランベリージュースが夢の隙間に零れる
ゆりかごはバクを召し透ける肌色の寝息を掬う
長靴を履いたあの子は水玉をジャンプする
チャイナドレスのスリットで大人に逃げた
遠くの嘘つきを手に入れてやさしく寄り添う
ハイビスカスの花びらはプールに横たわる
冷笑がうしろから囁きかけて屑色のいまをみる
割れた頭から新鮮な湧水が溢れ出てくる
しろい帽子はみるみるうちに鮮やかに甦る
あかに惹かれる
あかの芳香と形容と情熱に魅せられてしまう
すり替わった幸福を大人しく包み睫を光らせる
ソルダムの果肉をかじれば降りかかる酸雨のキス
甘い涙を捨てながら潮風が運んでくるエレジー
ゆりかごは綻んできっとあの子を振り落とす
可愛いあの子を
あかに惹かれる
あかの芳香と形容と情熱に魅せられてしまう
可愛いあの子を
あかに惹かれる
あかの芳香と形容と情熱に魅せられてしまう
太陽のあかい確固たる眼差しは
やがてあの子を救い上げるだろう
あかに惹かれる
あかの芳香と形容と情熱に魅せられてしまう