六話
ミコが向かった先は、やはり駄菓子コーナーだった。
しかしここには、いつも見ていたあの駄菓子は売っていなかった。
それでも何かを見続けているようだった。
十分くらい、ウロウロしていた。
結局また何も買わず、ミコは俺の手を掴んでコンビニを出た。
歩いている途中、不思議に思っていた。
見るだけ見て買わないということは、買えないという事なのだろうか、ということを考えていた。
来た道を戻り、再び公園に着いた。
公園には誰もいなかった。
中に入っていくかと思ったが、ミコは「バイバイ」と満面の笑みで手を振って、走って行ってしまった。
なんとなく、追いかけてはいけないと思った。
曲がり角を曲がると、ミコの姿は見えなくなった。
曲がった方向は駄菓子屋の方だった。
俺は一人公園に残された。
ズボンの右ポケットには、いちごみるくのあめ玉が入っていた。
ゆっくりと歩いて家に辿り着いた。
不思議な疑問は拭えなかった。
外はまだ明るかった。
部屋の電気を付けずに、ベッドの上に寝転がった。
いろんな疑問と答えが頭上を飛び回った。
また明日、会いに行こうと思った。
きっとミコは、いつでもそこにいると思っていた。
交通事故だった。
乗っていたバスが、大型トラックと激突した。
死人も出た。
俺はなんとか死ぬことは免れた。
ミコが守ってくれたような気がした。
病室には友人数人が見舞いに来てくれた。
励ましの言葉も、笑わしの言葉も、ほとんど耳から抜けていった。
もう一回、ミコに会いたかった。
会って、自分の疑問を晴らしたかった。
体さえ治してしまえば、会うことができた。
正直、若干飽きてきたので、急展開させてみました。
もうネタも残ってないし…。
常に即興です。