01. プロローグ
まだこの世界が永遠の夜の闇に包まれていた頃
ひとつの光り輝く星が空から落ちてきました。
それは星の女神でした。
星の女神は、ここよりもとてもとても遠い場所でたくさんの星の子達と暮らしていました。
しかし今はどこかも分からない世界にひとりぼっちです。
星の女神は何日も何年も、何百年も泣き続けました。
どれくらい長い年月が経ったでしょう。
女神の涙で海ができ、枯れ果てていた大陸には草花や木々が芽吹いていました。
そしていつしか女神の涙で育った植物や海の周りには妖精達が住むようになりました。
妖精達は星の女神へ、地上にある全ての美しいものをプレゼントしました。
ずっとひとりで泣いていた女神はとても喜び、妖精達を自分の子としてそれはそれは可愛がりました。
星の女神の涙が止まってから数千年もの間、女神の星の力で地上ではたくさんの生き物の命が誕生しました。
九九八番目の命あるものを創ったとき、女神は思いました。
〝この世界の全ては、皆等しく可愛い私の子ども達だけれど、私と同じ形をした私の子がほしいわ”
そして九九九番目に創られたのが、女神を象った六人の人間でした。
女神は人間に伝えます。
“貴方達は私の可愛い最後の子
私はこれから眠りにつきます。
私の代わりに、私が愛するこの世界をどうか守ってください。
また貴方達に会えるその時まで”
人間たちが頷くと、女神は光に包まれ、辺りは氷で埋め尽くされました。