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彼?のまわりをぐるぐる回り、異常がないか確認する。もしかしたら逆に瘴気に適用していて日光がダメとかあるかもしれないからね。とりあえず、大丈夫そうだと、確認が取れた。そして話しかける。
「この霧を払ったのは私なんだけど、どうせ死刑同然の身、偽善でも善行を行いたいと思うの。貴方の集落で一番偉い人は誰?話をしたいんだけど!」
「え、は…?」
「あれもしかして言語違うのかな。あの、私の言葉って通じてる?」
彼?はぽかーんと、きれいに晴れた自分のいる場所を見回している。そして、回りの家屋からぞろぞろと、彼と似たような姿をしたドラゴンの亜種たちが出てきて、晴れ渡った空と霧ひとつない空気に、茫然としてしている。大人、子供、老人。うん、ちゃんと集落として機能している。やっぱりすごいや。
「あのー?」
私は彼?に再度語りかけてみる。すると
「あ、あんたがやったのか、これを」
よかった、言語は通じるみたいだ。
「そうよ!やっているところ見てたでしょう」
「あぁ…だが信じられ…」
「おい人間がいるぞ!」
「何!?」
一瞬にして数多の殺意が私に突き刺さった。そして先程とおなじように、私に向かって、比較的若そうな姿をしたドラゴンたちが跳んできた。。
防御壁を最大展開、しようとして、
「待ってくれ!!」
私の前に立ちふさがってくれたのは、
「ブリス!?」
「どうして止めるんだ!そいつは人間、俺たちをここに置き去りにしてのうのうと生きている人間だぞ!!」
迷探偵大体合ってたっぽいな。
「そうなんだ、だけど、いま霧を払ったのもこいつなんだ!!」
「はぁ!?」
「信じられるかよ!!」
私はそれを聞いて、まだ信頼が足らないと感じた。そして
「じゃあ皆さんの傷を治しますね~」
「はあ!?」
『エリアヒール』
とりあえず軽く届く範囲、全部の傷を治しましたとも。
これでも余裕。
「どうですかみなさん、喧嘩したくなったり、腕を引っ掻いたり、そういう霧の症状からも解消されたと思いますし、今ので傷も治ったと思うんですけど」
彼らは慌てて自分の身体を確認しだす。
「ぱぱ、くるしいのないよ、それに血もでてない!」
「わしの長年のいらつきと腰痛が治っておる…」
ざわめきのあとには、じいっと、私を観察する視線がまた突き刺さる。当たり前だ、二千年も苦しめていたのに今更救って恩を売るなんて思っていない。というか私の手には余る憎しみだ、それは。ならば、一歩一歩やっていくだけ。
「私、できる範囲の浄化を進めていきたいんです。それで、とりあえずこの集落で一番偉いひとにに会わせてもらえませんか!」