五月病
僕の教室には色んな人が来る。曰く、①道路が欲しい(知らん)
、②特急停車駅にして欲しい(気が向いたらね)等の御願いから、
③婿にくれ(やだ)、④家の娘をやる(いらない)まで様々に来る。
僕も鬼じゃないけど、僕を自分だけのものにしたいっていう陳情は嫌だ!僕のものにして欲しいっていう陳情も嫌だ!!
僕って、嫌な奴に感じる?決して、嫌われようとはしてないよ。ただ、僕と付き合うと、あっちが刑務所に行かないかって心配をしているんです。
もしも、僕を犯した場合、強制猥褻になるからね。そのことをちゃんと理解している人ってどのくらいいるんでしょうか?
クラスの中にいる時は安全です。(僕が)そして、議員宿舎の中も。夜叉節さんと利之がいれば、安心できるかな?姉さんの背中は僕の指定席です。
僕は、何処の誰に陳情をすればいいんだろう?僕にだって陳情したいことはあるんだよ。
僕がしたい陳情
1、お父さんが欲しい。
2、弟か妹が欲しい。
3、利之と夜叉節さんの間の子供の顔を見てみたい。
まあ、こんなことだけですけどね。
1と2は、姉さんに言ったんだけど、お父さんは死んだお父さんだけ、弟や妹は永遠に産まれないことを逆に言われた。
3は利之と夜叉節さんの前で言ってみた。すると、利之と夜叉節さんが僕の顔を見て、ここにいるという。僕がそうなのだと笑う。そして、後二年待てば子供を見せてあげるって言われた。
僕が受付した陳情は鉄道関連と大学関連のお願いです。
サイドアウト
夜叉節サイド
私にも陳情はくるの。私にくるのは教育関連よ。やれ、どこの学校の試験の傾向を教えろだの、どんな科目があるか教えろだの、必須科目の内容を教えろだの……いい加減にして欲しいわ。また、就職案内して欲しいなどの御願いもあるの。新卒の子供の斡旋が多いし、中小企業を斡旋することが多いけど、殆ど知らない会社なの。権力者の斡旋という形だから成功していますわ。
権力者の座から降りた時に文句を言われても知りませんのでよろしくね。
サイドアウト
利之サイド
俺のところには陳情の中で結婚式の仲人をして欲しいなどの御願いだ。秀子の了解が要りそうな陳情だ。秀子に連絡して、OKのところから埋めていくが、気づくと夏休みの予定が仲人で埋まってしまった。
先ずは、5月、6月の予定を親に任せる(代理)。7月も同様にして、8月は、14/15/16を外す。これで決まり。しかし、俺のところには、補助金のお願いが来ても良さそうなんだけどな。
おっ、医者の陳情が来た。何々、診療報酬額を上げて欲しいそうだ。OK、そのくらいお茶の子さいさいだ。俺は、伊達に厚生労働副大臣をやっているんじゃないぜ。2%上げてやるよ。
それをお土産に帰って行った。俺はあの団体のお願いを叶えたんだな。これで何も要求しないから安心して欲しい。
サイドアウト
再び一丸サイド
僕はあまりに受付する基準が厳しいって思われていないだろうかが心配です。無用な考えを持たないでいてくれると有り難く思います。
そして、数日後
僕は、学校以外は何処にも行きたくない。夜叉節さんや利之が聞くと怒るだろうけどね。まあ、叱られるだけかもしれないけどね。僕、本当にどうなったんだろう?病気になっちゃった?それとも、気が狂った?それを確かめる為、病院に行った。いろいろな検査を行った後に5月病と診断された。
「一丸ちゃん、大丈夫?」
夜叉節さんが心配そうに覗いて、聞いて来た。僕は、大丈夫って答えたんだけど、やはり、夜叉節さんは気づいている。僕が5月病になった原因が陳情にあることを。
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夜叉節サイド
一丸ちゃんの病気の原因は陳情ね。しかも、一丸ちゃんと一緒にいたいっていう独占欲の強いものが強く作用をしているらしいのね。ここは一つ力になってあげないとね。
「一丸ちゃんのお姉様にお願いがあります。一丸ちゃんに対しての独占欲の陳情をさせないようにしてください」
「弟が世話になっています。そうね、一丸ちゃんに対する好意からくる独占欲に対しての陳情は副幹事長の南部 朋子さん(45)に回す様に記者会見で言うわ」
その後、その様な陳情は一丸ちゃんには行かなくなった。
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一丸サイド
姉さんが記者会見をして以降、僕の病気は快方に向かい、殆どないっていうより全快しています。
姉さん、夜叉節さん、ありがとうございます。こんな僕の為にいろいろとしてくれて。もっと強く成らなきゃね、僕。
後、もう少しで中間テストですから、頑張らなきゃです。僕の成績は優秀と言われているらしい、その噂に恥じない点数を取るためにやることをやる。
いい点数を取るためには一に勉強、二に勉強、三、四がなく五に勉強です。兎に角、学年一位を満点でキープしないとね。僕は権力者だから尚更です。
一般科目だけだから余計な勉強をしないで済むので、時間が節約できる。最高の環境です。僕のクラスの進度は二年生の最後になるかならないかまでになった。
夜叉節さんと利之は最近、あんまり放課後残っていないけど、何があったんだろうか?
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利之サイド
俺は、秀子とデートをしている。といっても図書館で勉強をしているんだがな。一丸を呼んでないが、あいつは一人で勉強できるやつだし、何より二人の時間を持ちたい。俺の細やかな望みが叶う時を大切にしているんだ。国会は、中間テストの後だし、前々年度分の決算の承認をしないとな。
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一丸サイド
議員宿舎の豊臣君の部屋で勉強をしている。豊臣君と勉強をしていると党の会議をしているみたいだけど、お互いの保護者が党の議員だよ。豊臣君の父が総理大臣で、僕の姉は一議員です。僕が提案して、姉さんが発議した法案は今のところ皆無ですが、大学生になったらできる様になりたい。
僕は姉さんと夜叉節さんに助けられて、五月病を克服できたんだけど、五月病を発症しない様に成らなきゃ一人前じゃないんだね。
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姉サイド
私は一丸ちゃんを守る為ならなんでもできる。私の分けた栄養で赤ちゃんの時を過ごした命だし、自分の分身とさえ思う子だもの。




