12月入
僕は副大臣の辞令を受け取った翌日、任期が通常国会開会の日である1月15日よりであると総理大臣の口から告げられた。
次の日の放課後、僕は喜多見 安香さんに男子更衣室に呼び出された。
「何?喜多見さん」
「これ、着て欲しいの」
渡されたのは幼稚園の服と鞄だった。鞄の中はシールを貼る手帳。芸が細かい……
「じゃあ、私は女子更衣室でスーツに着替えて来るわね。そうそう、制服・鞄はそのままにしてて、豊臣君に議員宿舎に運ぶように言ってあるから」
そう言って、10分後僕は幼稚園児、喜多見さんはその保護者といういでたちになっている。
「これから何処に行くんですか?」
それを聞かなきゃね。徐に口を開かれ、こうおっしゃった。
「成人映画を見に行きたいの」
で、何で僕がこんな格好をさせられているんでしょうか!?
「何で、僕、この格好をさせられているの?」
「決まっているじゃない。その映画館に託児所があるからよ」
えっ!?僕を出汁に大人扱いをされようと!?
そして、託児所にて!?
保母さん「いらっしゃい、ボクちゃん」
「僕、これでも高校生なんですけど!?」
保母さん「嘘おっしゃい、何処からどうみても年長さんじゃない!」
あぅ、僕が極度の童顔なの利用された。
僕の顔がこんなんだからよく間違われるんだけど、本当の高校生なんだよね。
「僕、虹一丸って名前なんですけど!」
「虹一丸!?政権与党の自生党の幹事長!!本物?」
疑わないでください!!名前で判るんだ……
「まあ、そういうことにしておいてあげる」
まだ、偽物だと……こうなったら!?
「永田高校一年中道一組16番です。」
それを聞いて、やっと僕を本物と認めた。
そして、僕に寄ってくる幼児達は、僕が何物かはどうでもいい様で、只の友達と認識しているらしく、何で遊ぼうかって聞いてきた。
「僕はポーカーがいいな」
諦めてもらおうと言ったんだけど、逆効果で一番強そうな子がやるよって言ってきた。
結果は僕のぼろ負けだった。ショックで涙が出てきた。
映画が終わったのかと思ったんだけど、夜叉節さんだった。僕を背負うと議員宿舎に運んでくれた。
喜多見さんは、映画が終わって、僕を連れて帰ろうとして、夜叉節さんが連れて帰ったのを知って安堵したんだって。
喜多見さんは自生党ドラフト3位の人で、役職なしなんだ。
ついでに、ドラフトって、総選挙前にすることになっているんだって。だから、後3年くらいはないんだそうです。
ドラフト自体、政界再編後、始めての総選挙の4ケ月前に導入された制度だったって言ってたんだ。条件は、義務教育を総選挙後、3ケ月以内に終える或いは、義務教育を修了していることだったんだって。




