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『ヒカリ』  作者: あかつき
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『正義という言葉』

自分の「正義」を貫き通すためには、その言葉のもつ意味と重みを理解しなければならない。

 アクション仮面というキャラクターをご存じだろうか。国民的アニメであるクレヨンしんちゃんに登場する人物だ。彼の決め台詞は、「正義は必ず勝つ」だ。悪の組織の怪人たちをパンチやキックをして倒していくのは爽快感があるだろう。今日、正義は勝ち悪は滅びるという価値観が浸透しているが、今回はそこにあえて疑問を投じ、この「正義と悪」について吟味していきたいと思う。







 正義とは何か。それは、一般的には悪を憎み、世のため人のために正しい行いをするということだ。悪が横行していては世の中は乱れてしまい、平和な世など訪れない。正義はなくてはならないものだ。ただ一方で、正義が横行する世の中はどうだろうか。それは果たして、幸福な世界だといえるのだろうか。


 次の例を考えてほしい。地球人たちは、戦争のない平和な社会を実現できた。そこに、どこかの惑星から宇宙人がやってきた。彼らは元の星に住めなくなり、やっとのことで自分たちの住める星を見つけた。もう食料もわずかで、地球で暮らすしか生き残る術はない。しかし彼らの数は多く、地球人たちは受け入れたくない。だがらそこで戦争が起きた。地球人たちは言った。「我らが星を守れ、侵略者にこの星を渡してはならない。我らこそが正義である。」宇宙人たちは言った。「我らが仲間のために。未来ある子供達のために。ここで負けてはならない。我らこそが正義である。」二つの「正義」がぶつかった。


 さて、ここで、本当の正義はどちらか。答えは簡単。どちらも正義で、どちらも悪なのだ。正義の反対は正義である。どちらも世のため人のために命を懸けて戦おうとしている。


 悪とは何か。それは、自分勝手な価値観で他の人に対して害を与える行為である。さて、先ほどの例では、どちらも自分たちのために戦争を起こしている。地球人も宇宙人も、相手を悪とし自らを正義だと主張する。ならばこの場合、正義と悪は対になるものではなく、同質のものであると言える。


 ただここで留意しておかなければならないのは、決してそれがイコールのものではないということだ。なぜならば、正義と悪は同質のものであったとしても、正義を求める心と悪を許容する心は真逆であると言えるからだ。





 以上のことから、一つ覚えておいてほしいことがある。自分がもし、絶対に正しいと思ったことがあったとしても、そこに疑問をなげかけてほしい。相手が自らの正義を主張するのであれば、一度、自分の感情を捨てて相手の立場になったつもりで考えるといい。天才俳優、または女優になったつもりで。


 どう考えても自分のほうが正しいと思ったことでも、そこにはあなたの感情が介入していることがある。正義という言葉はあまりにも魅惑的で、一度囚われると人間の心を縛り目を曇らせる。一度信じた正義を否定するのはなかなかできることではない。だからこそ、その呪縛を逃れることができたのなら、あなたはそれまでの自分より一歩前へ進める。







 正義にとりつかれるのはよいことではない。けれども、正しくあろうとする心は間違いではない。誰かの幸せのため、未来のために、自分の姿を客観視しながら最善を探れるとすれば、その人は誰よりも「正義」である。


 あなたが自分だけの「正義」を見つけ、常に自らの「正義」に疑問を投げかけながら歩み続けるのであれば、その道の果てには必ず光がさす。




  願わくば、誰かのための「正義」でありますように。




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