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鬼教師 西田ノブ  昭和39年悪魔は降臨した。   小夜物語  第66話

作者: 舜風人
掲載日:2017/08/16

これは私が最後までどうしても語れなかった最悪のお話なのです。

もう思い出すのもいやな、最悪の結末のお話なのです。


今だってやめようかと真剣に思ってるくらいなのです。

それほどトラウマであり

生涯の悔恨の思い出なのです、。

この暗くて無残な思い出は

おそらく私だけの心の闇金庫に鍵をかけてしまっておくべきなのでしょう。

「西田ノブ」という名前を聞くだけでも今でも鳥肌が立つのです。


だが今日こそは意を決して語らねばなるまい。

そうでなければむざむざと葬り去られた、和夫君や恵美子ちゃんが

全く犬死ではないか。


そうだ、わたしよ、

今こそ意を決して闇金庫のカギを解錠して語るんだよ、

いいかい、できるかい?

でも?

怖いのかい?


でも、

やるんだよ、

それがおそらくは生き残った私の使命なのだから。

語るんだよ、

いいかい?





鬼教師 西田ノブ  昭和39年悪魔は降臨した。 




その女教師は昭和39年の春その小学校へ転任してきた。

村の小学校はその年統合して、一校になった。

それまでの分教場も廃止して統合したのだ、

それでその統合小学校は生徒数が一挙に500人くらいになった。

新しい生徒も教員も初顔合わせだった、


4月の始業式でその女教師を校長が紹介したのを昨日のことのように覚えている.

朝礼で登壇したその女教師は、、、

背は150センチくらいで、顔は猪に似ていた。髪は刈り上げていた、

小太りで、海老茶の上着と、下は紺色のズボンだった、

登壇するとその女教師はならんでいる生徒を前にしてこう切り出した。


「諸君。これから厳しい指導でお前たちを鍛えてゆくつもりです、ヨロシク」

それだけ言うと、壇からまるで睥睨するようにじろりと生徒たちを右から左に

睨みまわしたのだ、


私たちはぞっとして身をすくめるばかりだった。

気のいい校長も一瞬戸惑ったようで、

「え、、、皆さん仲良くね、、というおはなしでしたよ」

などと取り繕ったが、

生徒たちはこれからの修羅場を誰だって想像せずにはいられなかったのでした、





いや、、待て、

私よ、


どうしたって語ってはいけないことってあるだろう?

封印を解いてはいけないってあるだろう?


だからもうやめようよ。

これ以上古い傷をほじくり返すのは、

無残な古傷をなぜいまさらほじくり返す?

ほじくり返せばその古傷からはおそらくどろっとした赤黒い血が流れだすだろうから、、。


そんなことしたって

和夫を恵美子も喜びゃあしないよ、


私の心の闇金庫は、やっぱり、、絶対開けちゃあいけないんだよ、

だからこれ以上語るのは、、やめます、


どうぞ、皆さん。


わたくしの身勝手を?お許しください。


だってこれ以上語ったら

私自身だって心の均衡を崩して発狂してしまうじゃないですか?


そんな暗い、闇の金庫を開けられますか?


やめます。


私が発狂しないためにも、



そして和夫や恵美子の亡霊が

私の解錠で闇の金庫からさまよいだしてこないためにも、、。


これ以上語りません。


やめます。






終わり




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