ただの会話
俺達は嘘の希望世界からゼルディンに帰り、クロの大きい家にいる。
やっぱり我が家はリラックスできる。
あっちだといつデッドアニマルになるか分からんからずっと緊張状態だからだ。
「クロお願い肩揉んで。肩が凝ってるのよね」
「自分でやれよ!なんで俺がお前の肩を触らないといけないんだよ」
「理由がほしいの?女の子が困ってたら無条件で助けるのが男でしょ」
「こんな世界で優しさは自分の命を削るようなもんだ
。それと俺と同じくらいの女が女の子なわけないだろ
?」
「いいや、女性は何歳になろうが乙女なのよ」
「それは乙女と思いたい女の結婚願望だ。それと自分で乙女だとかいうのは男性に言ったらただの死語だと思うぞ」
「それを言うあなたも女性からすると死語よ」
「ごめん」
「あなたにも謝る気持ちあったのね」
「いろいろ考えると相手にあまり謝罪したくない」
「ってことは私のことを気遣ってくれてるのかしら」
「なんとなくだ」
「それはどっちにしろ一緒だよ」
「うるさい、ほっとけ」
(分かりやすい性格、だからこそ信用しやすいんだけどね)
ヒカリはクロに会えて本当に感謝してる。
ヒカリは両親が亡くなりすぐに役立たずの烙印を言葉や行動で周りの大人達に言われた。
ヒカリは魔法適正がゼロなのだ。
だから、役立たず。
でも、あるときクロが食料目当てで私達の集落を襲った。
食料を守ろうとする人達は全員デッドアニマルへと変わる。
私は何故か悲しくなかった。ここでデッドアニマルになっても後悔や未練は無い。
漸く、この時が来たかと思った私は彼に「ありがとうございます」と言った。今思うとなぜ、そんな事を言ったのか今でも不思議だ。
それを聞いた彼は私に果物をくれた。
私は彼に着いて行くことにした。
彼は一緒にいる理由を私にくれた。
彼と同じロストワードが使える事が判明したので私と彼の利害関係になることになった。
彼は時々疲れたと愚痴を溢す。
なので彼に生きてる目的はなにか聞いた。
彼は笑って、世界や命を救う機械になりたいと言った。
私にはさっぱり理解できなかったがイニティを手に入れるのが目標かなと私は聞いた。
彼が言うには、それはあくまで手段の1つだよと言った。
じゃ、何が目的なのと聞いた。
俺は世界の頂点にたち機械みたいに私情を挟まずこの世界を今よりよくしたい、そのためにデッドアニマルになるとしてもいいんだ。
私はそれを聞いて悲しくなった。彼がそんなことを思うのはきっと大勢の人達をデッドアニマルにして、感情を奪っているから、口では気にしてるようなこと言わないけど後悔してるのかもと考えた。
そんな過去の出来事を思い出していたら、大きな時計が昼になったと音で教えてくれる。E4エリアの襲撃をしかける時間になった。