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虚空を歩む者  作者: 島地 雷夢
神話
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黒い外套の若者

 世界が絶望に包まれようとしたその時、ある一人の若者が現れた。

 黒い外套に身を包んだ若者は、自在に歪みの向こうへと行く事が出来た。

 更には、歪みを塞ぎ、世界から歪みを消し去る術を持っていた。

 黒い外套の若者の出現により、虚ろの者はその数を徐々に減らしていった。

 神の力に愛されし者も若者の隣りに立ち、共に渦中へと歩んだ。

 ヒトは若者と神の力に愛されし者に掛かる負担を減らすべく共に戦い、更には援助を行った。

 このまま行けば虚ろの者達を撃退出来る。誰もがそう思った。

 しかし、虚ろの者を纏め上げる支配者が世界に降り立ち、世界は窮地に追いやられた。

 支配者は若者と神の力に愛されし者を赤子の手を捻るように叩き潰し、その命を刈り取ろうとした。

 しかし、寸での所で多くのヒトが若者と神の力に愛されし者は世界にとっての希望だ。死なせてはならないと命を賭して隙を作り、彼等を逃がす事に成功した。

 無事に逃げおおせる事が出来た若者と神の力に愛されし者は、己の力の無さに悔い、そして命を賭した者達に応えるべく、世界に祈りを捧げた。

 すると、世界に残された五柱の神の力が魔法とは違う形で若者と神の力に愛されし者の手の中へと収束した。

 それは、一振りの剣と弓だった。



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