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なみだの死骸
いまさら死んだ涙を弔っても
成仏も蒸発もできないだろうに
死骸で出来上がった水たまりは
油のようにねっちょりと、冷や汗のようにぐっちょりと
どれだけ熱を上げても、沸騰はできず
どんなに冷めたところで、固まってやくれない
涙は涙のまま、いつまでもいつまでも
仕方がないので僕はそれを口の中へと運ぶのです
僕は僕の中に涙を隠すのです
そして、のどを通る、ねっちょりが胃の中で、ぐっちょりと挨拶を交わします。
やあ、おかえり、悲しみくん
うん、ただいま
ただいま
いつまでもいつまでも