↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結ぶと解く  作者: ながずぼん
第九章 浸透編
PR
164/254

第163話 後編と補佐

 落ち着いたので話を再開する。

 言おうかどうしようか悩んだけれどクスメギは会ったことあるからパウラさんとサヨさんの話をした。サヨさんが未来の地球から来た話はややこしすぎるので省いた。

 とにかくサヨさんという思念体が離れたがっていたから分離させたと言った。

 そのときに急にスペイン語が話せるようになったと言ったら二人は驚いていた。


「それって、ハナザワ室長と同じ現象なのか?」と訊かれ「違うみたい。勉強してきたことを整理して使えるようになったってアズマさんが言ってた」と答えた。

 「じゃあ、脳の仕組みとか能力のことも理解できそうなのか?」と訊かれ「それは勉強してないから無理」と言うとクスメギは残念そうな顔でおれを見やがった。

 おまえいま、役立たずって思っただろ!そういう顔してたからな!


 その後、DCの日本大使館でアサガオさんと雪合戦した話をした。

 外務省の事務次官をアサガオさんとコケにした話にクスメギは大笑いしていた。

 アヤママは???となっていたので、これは説明できるなと思い、グラスに水を汲んできてベンジャミンさんに見せたように水素の共有結合を解いて見せた。


「は、は、ハナちゃんて超能力者だったの?」


 いやいや、あんたもだろ。そもそも一番簡単なやつなんだけどこれ。

 癌とかHIVとかサヨさんのときの話、ちゃんと聞いてないでしょあなた。


 そして説明が一番難しい場面になる。「なにが起きたのか説明はできないんだけど」と前置きをして、病院での襲撃後に前夜にループした話をした。ヨハンソンとアドラさんが撃たれてサヨさんも消滅してしまったが、気が付いたらレストランにいたと。


「ママは半日ぐらい前の記憶が少し残ってることありませんでした?一週間ぐらい前の話なんだけど」


「いいえ。そんなことはなかったけれど…」


 結ぶ素粒子を持ってさえいれば記憶の断片が残るってわけでもないらしい。

 あのときのレストランにいた保持者の三人だけ?ハナザワさんは何も言ってなかったか。とにかく宇宙全体の時間が巻き戻ったわけじゃなさそうだった。


「時間が巻き戻ったのが本当だとして、それはあんたの力なのか?」


「ウチヤマさんとハナザワさんが、量子消しゴム?とか波動関数がとか言ってた」


「まじかよ。無自覚でそんなことまで… いよいよ化け物じみてきたな、あんた」


「それで、追っ手からこっそりメキシコまで逃げて日本へ帰ってきたのね」


「えーと、ちょっと違うっていうか、だいぶ違うかな。ははは」


 ヨハンソンがALPRのログを改竄して、アドラさんと深夜に国道を移動して昼間は潜伏していた話。襲撃者はCIAが雇った元犯罪者だった話。FBIのスミスさんが助けてくれたこと。ベンジャミンとアドラさんの叔父さんの話。最後にタラハシーで返り討ちにした話。かいつまんで話をしたけれどけっこう時間がかかった。


「な、なあ、いまの話、飛行機の中で観た映画の話だよな?2,3本混ぜてるだろ?」


「おれは基本的に助手席でおしっこ我慢してただけだから。NSAとFBIがCIAの暴挙を止めたって話だよ。映画ならおれは脇役もいいところだな」


「でも、ハナちゃんはアメリカのスパイになったってことなんでしょう?」


「いや、だから、スパイじゃないんですよ。どの組織も結構ルールが厳しくて管轄の中でやれることをやった感じです。CIAの下請けだけが無茶してたんです」


 アメリカでの逃亡劇を聞いた後、二人は珈琲を何杯か意識がないまま飲んで帰っていった。大丈夫なのかな?事故しなきゃいいけど。


―――――


 時間になり送迎に出る。メイさんを拾い、ナオさんを拾い、ユキさんを拾い、ユイさんを拾う。車内に立ち込めるパフュームにちょっと酔う。

 店でオンナのコを降ろしたら駐車場へ車を戻して歩いて店へ。

 きょうはハウルのコートを着て来たので街の人にめっちゃ見られる。


 「おはようございます」と裏から入ると「裏ボスっすか」とパイセンに言われる。

 「これはお母さんに買ってもらったんだ」と言うと「センス爆発っすね」と笑っていた。

 コートを脱いでコロコロを持って店内に行く。そのあとおしぼりの仕込み。

 開店前のミーティングが終わったら店長に「長いこと休んですみませんでした」と言うと戻ってくれて助かると肩をぽんぽんされた。今日は店長いてくれるらしい。


 22時ぐらいに店長に声を掛けられ、アオイさんの店の様子を見てきてくれと言われる。忙しいようならそのまま手伝うよう言われた。すっかりベテラン扱いなんだが指導係がいないと役に立てないんじゃないのかな。

 ハウルになって空を駆けてアオイさんの店に向かう。


 「おはようございますー」とこそっと店に入ると店内は満席だった。

 ひとまずカウンターの中に入りアイスペールの準備をしているボーイに「ニホンマツ店長から手伝って来いって言われたんですが」と声を掛けると「あ、助かります」とだけ言って氷を山盛りにして行ってしまった。

 なにをすればいいんだ?と思いつつカウンターの中で様子を見ていると、おれに気付いたアオイママがこちらにやってきた。


「ハナさん、お久しぶりです。手伝いに来てくれたんですか?」


「はい。店長に様子見てこいって言われて来たんですが、なにをすれば?」


 オンナのコの指名が全然取れないのでセット終わり10分前に付け回して場内指名を取れるようにして欲しいと言われた。見ればホワイトボードにマグネットがある。

 むむむ…クスメギですら音を上げていた付け回し…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。