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結ぶと解く  作者: ながずぼん
第七章 米国編
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第104話 二人と再会

 港にほど近い場所にあるホテルに到着する。まあまあでかくて豪華そうだ。

 こんな良さげなホテルに滞在するらしいけれど費用はNSA持ちなのかな?

 車を降りて教授についてホテルに入る。フロントで教授にサポートしてもらいチェックインを済ませカードキーを受け取る。

 とりあえず夕飯はどうするか教授に訊かれ「蟹ですか?」と嬉々としていると「獲れるのが夏場なのでいまの時期はオススメじゃないみたいです」とウチヤマ先生から残念なお知らせがあった。NSAはなんで冬場に呼ぶんだよ!クソが!

 さして腹は減っていなかったので適当に済ませることになり、ウチヤマ先生と別れエレベーターで宿泊階に。教授は廊下を挟んだ向かいの部屋だった。


 部屋に入ると大きな窓から港が一望できるハーバービューの部屋だった。眺めは素晴らしいけれど、内装は豪奢ではなくシックな色合いのシンプルなもので、どちらかといえばビジネス系のホテルらしいことがわかった。この感じならバカ高いホテルってわけでもないのかもしれない。


 夜中に到着すると時差ボケが解消しやすいと言う。とにかく寝る準備をしないと朝起きれないと思い、シャワーを浴びて持ってきた寝巻に着替えた。

 でかいベッドに入り目を瞑ってみる。が、眠気はやって来ない。しばらくじっとしていたが一向に眠気がやって来ないので、Wi-fiに繋いでスマホで動画を観ながら眠気が来るのを待った。


 5時ぐらいから2時間ほど眠れたが、7時すぎには目が覚めてしまい朝食を摂りに会場に行く。ビュッフェ形式だったので、ベーコンとスクランブルエッグ、ポテサラとパンを取ってテーブルに着く。飲み物はトマトジュースにした。味は日本のホテルで食べる朝食と変わらない味だった。日本がこっちの真似しているのだろうけど。

 

 朝食後は部屋に戻って熱めのシャワーを浴びた。教授の態度からNSAは信用して良さそうだけど、何をされるかわからない。頭はクリアにしておきたい。

 集合時間の9時までまだ時間があったので、ノートパソコンを取り出してWi-fiに繋げメールの確認をする。なにも届いていない。

 クスメギにボルチモアに着いてこれから検査の打合せだという内容のメールを送っておく。また連絡がねえとか殴られたらたまったもんじゃない。


 時間になったのでラウンジへ行くと、教授が来ていたので挨拶をする。

 午前中はここで検査内容の打合せを行って午後はフリーだそうだ。好きに検査すればいいけど痛いのは勘弁して欲しいと言うと教授は笑っていた。

 そうこうしていると、背の高い男性とスラっとした女性がこちらにやってくる。

 あれ?こいつ見たことあるぞ、なんて言ったかな…名前を思い出そうとしていると彼の方から声を掛けてきた。人懐っこい笑顔で。


「お久しぶりです、ハナダさん。昨夜はよく眠れましたか?」


「ああ、うん。えーと、ごめん、名前が出てこない… 久しぶりですね。時差ボケなのかあまり眠れなかったですね」


「ハハハ、ヨハンソンですよ。国家安全保障局《NSA》から派遣されてきました」


「ああ!ヨハンソン!そうだったヨハンソン!日本語のできる人でよかったです」


「オハヨウ、ゴザイマス。カレト、オナジ、アドラ・ミシュラ、デス」


「初めまして、ハナダです。ミシュラさん…」


 こっちの中東系?の女性もどこかで見たことあるなと思っていたが、ヨハンソンと並んでいるからすぐに思い出せた。


「つうか、おまえ、妖怪くねくねじゃねえか!仲間だったのかよ!」


 思わず立ち上がるわ大きな声が出るわで衆目を集めてしまった。まあ日本語だから何を言っているのかわからないのだろうけど。

 おれの指摘にヨハンソンが「ククク」と笑っているとミシュラさんは彼に英語で何かを言った。だいぶキツめの言葉のように感じたけれど聞き取れなかった。


「挨拶も済んだようなのでお二人とも座ってください。検査の話をしましょう」


 教授にそう促されて席に座る二人。それでもまだミシュラさんはヨハンソンを睨みつけていた。あれは彼女にとって黒歴史なのだろう。

 それはさておき検査内容についてヨハンソンから説明があった。

 月曜日が頭部MRIと脳波検査、火曜日が心電図検査と肺機能検査、腹部エコー。

 水曜日が休みで、木曜日が心理検査とストレスチェック、金曜が身体検査。

 土日は休み。基本的に午前中だけだが、明日は午前に採血とか粘膜採取をやって午後に頭部検査ということで丸一日だそうだ。


「ヨハンソンさん、彼の検査結果から何が見つかったとしても決して公表したりしないでくださいね。身柄拘束は論外です。約束を違えたらこちらも反故にします」


「理解しています。我々としては彼を害するつもりはありません。その気があったならモンテビデオで奪取しています。彼を解剖するより、あなたのパートナーから得られる情報の方が有意義ですから」


「If there is any unrest, we will act and protect him.」


 ヨハンソンからアサガオさんの話が出た。そしてミシュラさんが英語で教授に何か言っていたが友好的な雰囲気がある。教授は二人の話を聞いて納得したようだった。


「ハナダさん。あなたの検査結果に見られる一般人との差異は、ウルグアイでも日本でも取引などで隠匿されてきました。ですがここではそれができません。万が一、拘束されそうになったりおかしな動きがあるようなら、とにかく逃げてください」


「そんなにヤバいんですか?」と訊くと「私たちが全力で守りますよ」とヨハンソンが人懐っこい笑顔でそう言ってくれた。逆にそこが怪しくはあるのだけど。

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