冒険者ギルドによる国家解体論 〜万国の冒険者よ、団結せよ〜 いま話題の冒険者ギルドについての考察
冒険者ギルドによる国家解体論
第一章
冒険者ギルドと国家。
第一節
冒険者ギルドについて。
元来、冒険者ギルドとは広く存在する冒険者と依頼者を繋ぐハブ組織であった。
つまり依頼者がドラゴン退治を依頼したならば冒険者ギルドがギルド館で依頼を張り出し、それを冒険者が受注するという形である。
しかし昨今における冒険者ギルドの領分はそれに終わらず、ドラゴン退治をしたならばドラゴンの解体を熟しドラゴンの鱗や骨を売却したり、その素材を然るべき市場へと運送することすらあった。また素材の運送という面において冒険者ギルドの役割は目を見張るものがある。
何故なら冒険者ギルド間の素材やり取りに関しては全ギルド同盟によって非常に円滑かつ合理的に行われるのである。また、これは国境と言うものを越える。
第二節
全ギルド同盟について
全ギルド同盟とは1321年、全ギルド公会議によって設立された機関である。この機関は各国に存在するギルドの調整機関であり、この機関の登場によって各国に分かたれぬギルド及び冒険者が全ギルド同盟の下に統合されたと考えてられる。また、冒険者ギルド組織が国家的制約を受けなくなったと考えてもよい。
何故ならこの全ギルド同盟が冒険者ギルドによって国家における冒険者の身分を保証しているからであり、冒険者カードと言うものが国際的なパスポートとなったのであるから。
例えるのであれば、国家的に怪しい人物がいたとしても、その人物は冒険者ギルドより身分が保存されているので拘束逮捕される事が出来ないのである。
第三節
如何にして全ギルド同盟が成立したのか。
全ギルド同盟成立当初において、国家側から大きな反対があった。当然である。全ギルド同盟の存在は国家の安全保証という面において絶対的に不安要素であったのだから。
しかし全ギルド同盟は成立した。何故なら国家はこの時点において冒険者ギルドという存在に逆らえなくなっていたのである。
第四節
魔法という存在。
まず魔法というのは超常的な力ではないということを認識しなければならない。
そもそも魔法を魔法して成立させる為の最も重要な要素とはなんであろうか。それは魔力量でも魔法的な才能でもなく、呪文という知識である。
故に魔法という存在は権力によって独占する事が出来た。また魔法非ずんば人にあらずという言葉から魔法の存在そのものが権力の証明となって居たのだろう。
故に※ガイウス魔法法に代表されるような魔法という存在を貴族・聖職者間で独占する法律が制定された。
※古代マレ・ノストルムにおいて制定された法律。政務院によって正式に認可された魔法学校を除いて魔法研究・教育を固く禁ずる。
第五節
何故魔法が広く知られたのか。
しかし皆様のご存知である通り、魔法とは身近な存在である。今では平民の家庭で火起こしの魔法が使われる事も多い様に。
ではガイウス魔法法のような法律で国家が魔法という存在を秘匿していたにも関わらず魔法という存在が広まってしまったのだろうか。
これには冒険者という存在が深く関わっている。
通常、冒険者は依頼をこなすに当たりパーティーと言うものを組む。これは依頼の成功率を上昇させる為であったし、あるいは不正の有無をパーティー間で監視し合うという目的があった。そして彼らパーティーはしばしばパーティー内で婚姻が行われるほど親密になる事があった。
ここが問題であった。
古来より、ガイウス魔法法で魔法学校以外での魔法研究・教育が禁じられていたのであるが、貴族達は家族間での魔法教育を問題視していなかった。
何故なら彼らは"法律の意図は貴族・聖職者と平民の間で階級を固定する事であり、これを犯していないのであれば然程問題はないだろう"と解釈していたのである。
そのせいで貴族崩れの冒険者が平民出の冒険者と親密となってしまって、つまり家族と同等であると考えたパーティーメンバーに魔法を教えるという行為を犯してしまったのだ。
そこから魔法が広がり、特にギルドにおいては魔法という存在が超常の力ではなくただの便利な物にまで墜落してしまったのである。
この時点において、国家が問題視し始めた頃にはもはや手遅れであった。
しかし国家に対して無能であると、緩慢であると断じる事はできない。何故なら迷宮は治外法権なのだから。
第六節
冒険者という潜在的魔法戦力
さて、全ギルド同盟が何故成立したのかという話に戻ろう。
そもそも国家の戦力というのは貴族・聖職者自身や金で雇われる傭兵であった。そしてそれらは、特に貴族自身は魔法を行使できたので強大な戦力であった。
しかし、第五節で述べたように冒険者間において魔法は広く知られてしまった。つまり冒険者ギルドは冒険者という潜在的魔法戦力を保有していた。そしてその潜在的な魔法戦力というのは国家の保有する貴族・聖職者という魔法戦力を遥かに凌駕していた。
故に国家は全ギルド公会議の設立を認めざるを得なかったのだ。
第二章
冒険者ギルドによる国家解体。
第一節
昨今における冒険者ギルドと国家の関係。
冒険者ギルドにおいて、国家と言うものは足枷であり、あるいは競争者である。
昨今において、冒険者ギルドの仕事というのは多岐に広がり魔物討伐から運送業、果てには建設業にまで事業を広げた。依頼者に必要な人材を斡旋するという形があまりにも便利であったのだ。
よって、冒険者ギルドというのは国家内における国家という存在にまでなった。
第二節
国家という、冒険者ギルドの寄生虫について。
冒険者ギルドという潜在的な国家にとって、旧来の国家と言うものは寄生虫である。
何故なら全ギルド同盟の下、冒険者ギルド間で行われる素材の売買には関税がかかってしまうのだから。
冒険者ギルドの立場からしてみればこうである。
"我々が魔物を討伐してその素材を運送売買しているのに、どうして国家が割って入って金を取るのかと"
しかし冒険者ギルド間の取引に関税を掛けるというのは国家として当然の行為である。何故なら国家として国内産業の保全と税収確保という正当な目的があるのだから。
しかしこれは国家が国家として成立し、国家の民の立場を保証していなければ正当とは言えなくなる。
むろん、現在において国家はその役割を果たしている為、国家の言い分としては正当である。
第三節
冒険者ギルドと国家。
国家内に国家があるという状況は非常に非効率的である。二つの軍、二つの市場、二つの組織。
自然界において、頭を二つ持つ生物、あるいは腕を四つ持つ生物は存在しないだろう。何故ならそれが非効率的だから。
よって、国家が冒険者ギルドか、効率を追求するのであればどちらかを斬り落とさなくてはならない。
私はこの問題について断固としてこう答えさせて頂く。
冒険者ギルドは国家を解体するべきであると。
第四節
何故冒険者ギルドが国家を解体しなければならないのか。
戦争とは不理解と利益性によって行われる。よって組織の構成員同士が互いが理解している状況かつ利益性が失われている状況では戦争は起きないとまで言わないが、戦争は起きにくい。
そして現行においてこれを行える物が冒険者ギルドと全ギルド同盟である。
何故なら冒険者ギルドと全ギルド同盟は物流の促進という行為によって人、物、情報を目まぐるしく交換することができるのだから。
皆様も想像して欲しい。貴方は見知った人を殺せるのか、あるいは見知った街を壊せるのかと。
冒険者ギルドによう物流促進とは知るということを加速するのだ。
また上述したように、全ギルド同盟というのは国境の垣根を越えて冒険者ギルドを統合する組織である。つまり、国家と言うものを解体し冒険者ギルドが国家となった時、全ギルド同盟は冒険者ギルドという国家を調停する国際的組織になる。調停よる戦争の不利益を作れるのだ。
第五節
如何にして国家は解体されるべきか。
国家は冒険者ギルド所属の冒険者による暴力によって解体されるべきである。何故なら国家と言う伝統や慣習と言った非合理性に取り憑かれた亡者は自らの悪癖を省みる術を知らないのだから。
しかし急進的な解体は争いを生む。故に私は二段階による国家解体を提案する。
第六節
二段階の解体。
冒険者ギルドによる国家の解体は二段階で行われるべきである。
まず冒険者ギルドは独自に魔法の研究・教育機関を建設し平民に対して魔法を啓くべきだ。
これには封建制の解体という意図がある。
そして冒険者ギルドと平民の協力の下封建制を打倒する。
これが第一段階である。
次に平民の中で富める人々、つまりブルジョワジーによる国家が建設されのだが、次にこれを冒険者ギルドによって解体する。
ここにおいてやっと国家と言う枠組みを消失させる事が出来るのだ。
第七節
何故二段階を経なければならないのか。
冒険者ギルドによる直接的な国家解体とは、旧来の国家の再現にすぎない。故に冒険者ギルドは一段階、二段階の手順の中で弱者の強さと拝金主義の愚かさを学ばなくてはならないのだ。
第八節
宣言。
以上より、国家の解体というのは人類文明の発展において必須であり、それは魔法と万国の冒険者の団結によって成されるべきであると私はここにて宣言する。
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