背向けた世界
私は何も持ってなかった
あの頃より
少し知恵を付けて大人に近付いた程度
笑えば愛想よく見える
本気でそう信じている
今も偽りが私を
成長させていくから
何者もなれなくていい
ひとりごとは絶えない
ぽつりと立ち止まり
人がいない方へ足を向ける
分かりたくて
生きているんじゃない
分からないままで
何かに向かおうとしている
私はいつも
背を向ける人にしか
ついていけない
興味がないらしい
だから
決めるには
振り向いたその瞬間の形容が欲しい
どうかこれは
少し知恵を付けた小娘の戯言だと思って
紙飛行機にして飛ばすみたいに
気のない返事で返して