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最終章 修行の果てに

いよいよ最終章。修行を終えた春菜と幸四郎に待っていた未来とは。

最終章 修行の果てに


「やったぞ。ついに、完全習得だ」

「がんばったわね、幸四郎」

 二人は2年にわたる長く辛い修行に耐え、カリキュラムをすべてこなした。

「きみたちなら、間に合うと思っていたよ。これで、僕の役目も終了だ。あとのことはきみたちに委ねる。それにしても、長かった。僕も疲れてしまった。ああ、眠くなってきた。悪いが、少し眠らせてもらうよ」

「博士。寝ちゃダメだ」

「博士っ、博士ったら」

 長きにわたり人類滅亡を救おうと奮闘してきたマヤ王国の継承者カケル。その役目を終え、蓄積された疲労が一気に襲ってきたようだ。役目を終えたものの行く末を、春菜と幸四郎は微妙に感じていたのである。

「眠っちゃったわね、幸四郎」

「ああ、大丈夫かな。マヤ文明は2012年に終焉を迎えるって言っていたけど、それは新しい時代の始まりを意味するんじゃないかな」

「あら、なんか変だわ。私も眠くなってきちゃった」

「そういえば、俺も急に眠気が…」


 

「ああ、眠い。いやだ、もう7時じゃない。今日も遅刻しちゃうわ」

 春菜は高校一年生。早起きがちょっぴり苦手な女の子である。

「あら。これ、何かしら」

 目覚まし時計の横には、見覚えのある封筒が置いてある。


「幸四郎、遅れるわよ。起きたのー」

 母親の声で幸四郎は目が覚めた。

「うわっ。やっべー。7時半かよ。遅刻、遅刻。あれっ」

 幸四郎の枕元には、見覚えのある封筒が置いてあった。


「はあ、はあ。春菜、おはよう」

 自転車をこぎながら必死な形相をしている春菜に、これまた死に物狂いで全力疾走をしている幸四郎が声をかけた。

「なあに、今日も幸四郎と同じ時間なの。遅刻決定じゃない」

 春菜は自転車をこぐ力を弱めた。

「俺もがっかりだよ。ここで春菜に出会って、間に合ったためしはないからな」

 幸四郎も走るのを止めた。

「ねえ、幸四郎。私、今朝変な夢を見たの」

「気にするなって。それより、今日は西暦何年の何日なのかな」

「なによ、突然。それより、幸四郎っていつもポケットにライター入れてたわよね」

「よく知ってるな。秘密基地のローソクをつけるやつだろ」

「そうそう、赤いライター」

「色まで覚えてるのか。それならここに…」

「どうしたの、幸四郎」

「いや、なんでもない。さあ、早く学校へ行こうぜ」

「そうね。今日はなんだか、転校生が来そうな気がするわね」

「ああ、そうだな。カケルって名前の子がね…」


*** 時代はまわる、時はかける *****

*** 振り向くな、立ち止まるな *****



長いあいだご愛読ありがとうございました。また、お会いできます日を楽しみに・・・

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