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王道楽土  作者: Gie
9/23

9

軍幕に残された、東国王は南国王を見たり軍幕の天井を見たり、所在無さげにし、

南国王は、ただただ、腕を組んで目を閉じていた。

「...おい...南国の、どうするよ?」

「...」

「...おいってば...」

「なぁ、聞こえてんだろ?返事しろよ?」

南国王は目を開き、ギロリと東国王を睨みつける。

「...全く以て、いい恥さらしである...」

再び、目を閉じながらごちる。

「...何だよ、何か文句でもあるのかよ?」

「...いや、文句はないのである。お主の計画に最初に乗り、西国王と北国王を説得する事に加担したのは我なのである。

 しかし、ここまで考えなしの行動を取られると、流石に呆れてものも言えんのである。」

「...何だよ!!結局、オレのせいだって言いたいのかよ!!」

「当初の計画の立案者はお主である。それは間違いないであろう?」

「それはっ!!...まぁ...そうだけどよぉ...」


南国王は自分にはさも責任はないかのように東国王に言うが、南国王に責任が無いなどと言うことは決してないのだ。

しかし、年若く粗雑な東国王は、南国王に言いくるめられている事に気付かない。


「まぁ...ネズミ一匹逃さないと豪語したのはお主である。

 責任を持って、中央国王を捕らえ、再度我らを招集するがよかろう。」

そう言うと、南国王は立ち上がり、悠然と軍幕を出て行った。


「...小僧の尻馬に乗り、手柄を掠め取って宗主国となる我が野望も潰えたのである...

 早く中央国王を探して保護し、東国王を討つのが得策と考えるのである。」


西国王を小心愚王と子馬鹿にしながら、考えている対策は西国王と変わらない。

いや、西国王は北国王に諫められ、そのような手が通じる訳もないと、早々に諦め、

中央国王に謝罪をする考えを持つだけマシだ。

このような手が中央国王に通じると信じて疑わない思考回路こそ、南国王の脳筋愚王たる所以なのだろう。

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