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南国王が自身の軍幕に戻り、これからの事を考えている時、近衛兵が慌ただしく入ってくる。
「何事であるか!」
「ほっ...報告いたします!!
東国王が近隣国会議の軍幕の中で、何者かに暗殺されました!!」
「何いぃぃぃぃぃ!!」
南国王は報告を聞くと共に立ち上がり、近隣国会議の軍幕に向かった。
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近隣国会議の軍幕に入ると、北国王、西国王は既に到着しており、東国王の遺体を検分していた。
「状態はどうであるか?」
「南国王...心臓を一突きのようだの...」
「近衛騎士団長も後ろから心臓を一突きですねぇ...」
「...何という事であるか...」
南国王は報告を聞き目を伏せた。
「...お前さんの仕業ではないのかね?」
「何を申すであるか、北国王よ!我が東国王を暗殺して何の利があると申すか!」
「...まぁ、そうなのだがね...東国王が近衛騎士団長と2人だけになる前に居たのは、お前さんであったからの...」
「そういう事です。とりあえず、簡単に東国王を暗殺できる状態であったのは、南国王とその近衛騎士団長でしたかからねぇ...」
「確かに!お主達より我が後に軍幕を出たのは確かである!しかし、我に東国王を暗殺する利などないのである!」
「分かっておる、分かっておる...念の為の確認だよ。」
「...感情の起伏からも、演技ではないでしょうねぇ...」
北国王と西国王は顔を見合わせて頷き合う。
「...と言う訳で、南国王とその近衛騎士団長の嫌疑は晴れた訳なのだが...
すると...東国王とその近衛騎士団長を暗殺したのは誰であるか...だのぉ...」
「考えるまでもないのである!!中央国王が東国王を暗殺したのである!!」
「...そう考えるのが妥当でしょうねぇ...」
南国王は、西国王が自分の言葉に賛同した事ではたと気付く。
北国王と西国王に疑われたのは業腹であるが、中央国王がまだ近くに居る可能性があるのであれば、それ所ではない。
「中央国王がまだこの近くに居るのである!!
草の根分けてでも中央国王を見つけるのである!!」
南国王は自身の兵にそう指示し、軍幕を出ようとした所でふと気付く。
「...いや、暫し待て...」
自身の伝令兵を呼び止め、顎に手を当てて少し思案する。
「...ふむ、我にいい考えがあるのである。
北国王、西国王、我に中央国王の捜索を任せていただこう。」
北国王と西国王は、自信あり気な南国王の顔を見て、南国王に任せる事にした。




