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一人軍幕の中の椅子に座わる東国王
膝の上で両手の拳を強く握り、苛立ちを隠さない顔で机を睨む。
「くそっ!!...くそっ!!...くそっ!!...
くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!...
くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!くそっ!!
くっ...そ------!!!」
机から徐々に視線が上に上がっていき、最後は軍幕の天井を睨みつけながら叫ぶ。
「くそっ!!何だよ!!中央国は攻め落としたんだっ!!これだけでも充分な成果じゃねぇかよ!!
中央国王に味方なんか居ねぇんだ、たった一人で何ができるでもないんだっ!!
それを...中央国王が捕まえられなかっただけで寄って集って槍玉に挙げやがってっ!!...」
息を切らしてそう叫び、荒い息を整えながら机に手を着いて立ち上がる。
「...まぁいい...北国王、西国王、南国王が去った今、中央国を攻め落とした手柄は俺だけのモンだ...
後は、中央国王を捕えれば、オレが宗主国の王になるっ!
周りに味方の居ない中央国王なんぞ、オレの敵じゃねぇ!!
さっさととっ捕まえて、隣国王達に吠え面かかせてやるっ!!
覚えてろよっ!!」
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「そうか...お前が首謀者か...」
東国王はいきなり背後から聞こえた声に振り返える。
そこには、背中から剣で刺され、口から血を噴き出している近衛騎士団長と、
騎士団長を背後から刺した男がいた。
「てめぇ...何モンだぁ!!」
「情けない事だ。つい先月に会ったばかりだと言うのに。」
「...てめぇ!!中央国おっ...ごふっ...」
東国王は、近衛騎士団長を刺した男の移動速度に付いていけず、正面から心臓を刺された。
「お前達は誰一人として許さない。
我が憤怒の炎に焼かれて果てるがいいっ!...」
こうして、東国王の人生は呆気なく幕を閉じた。




