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第12話-2  始末Ⅱ

 黒い毬がゆっくりと地面に下ろされる。


(ありがとう。ツンツク。ご苦労様)


(ダンナ。これくらいどうってことありやせん。いつでも言って下せぇ)


 俺は仲間に恵まれて助かっているよ。オナイギはゴブリンを監視してくれていた。


 そういえば、土地神様の亡骸もあったな。黒狼も犠牲者だ。ねんごろに弔ってあげないとな。


「エステラ。済まないが奥にこの子の親が亡くなっている。亡骸を回収して来てくれないか?」


 他の獣に荒らされないように拝像での保管が必要だろう。ツンツクが敬う位の相手だからエステラの方がいい。あの大きさをツンツクが運べるか分からないしね。


「――了解」


「ありがとう。一〇時の方向だ。ツンツク。戻ったばかりで済まないが、場所のフォローを頼めるかい?」


 ピーヨロ! (がってん承知の助)


 ツンツクが先導するようにゆっくりと飛び立った。


 それをエステラが飛んでついて行く。


 ……エステラさん。それエルフの神器。タラリアじゃないの? アレ? ウェン師から貰えたの?


 俺でも見せてもらっただけなのに。神話の空飛ぶ靴がモチーフの装備だ。


 あの人基本的に女性に甘いからな。俺は自分で何とかしろってことか。


 ――ずっちぃーの!!


 息を吐き捨てて、切り替える。さて、この小さくて丸っこい”きゅーん、きゅーん”鳴いているのの対応だ。


 取り敢えず、犬用の粉ミルクを召喚する。そして開封する。パカッとな。


 直感が働くが、既に俺の勘が報せてくれているよ。それに逆らわずに、俺は味見用のスプーンを取り出してミルクを口に含んだ。


 器用な俺は食材を適切にレシピ化できる。貧乏な俺は一度口にしたものしか、その勘が働かない。


 そして、毬状態の子狼を凝視した。


 はいはい。降りてきました。いつものように、導かれるままにレシピを書き殴る。


 レシピにはこう書かれていた。虎狼のミルクレシピ。――三倍濃縮液。


 ……腹。――壊さないのかね。


 念のため五五度のお湯を用意して三倍濃度のミルクを作り。四〇度に冷まして哺乳瓶で授乳する。


 前足をバタバタさせて必死に飲んでいる。鼻息が凄いな。生命の力強さだ。てか、足がでかい。


(うままい。――ままぃ)


 体内検査魔法で異常が無いか確認する。あまり濃いと下痢するというから授乳後も様子を見てみよう。


 おいおいおいおい。予備で作った二本目まで飲みだしたぞ。ちっちぇ癖に凄いな。


 それが飲み終わると。子狼から猛烈な眠気が伝わってきた。それと共に届く寂寥。いつも身体を包んでくれた温かな存在を探し、喪失感を抱いている。


 それを感じ取った俺は、おくるみを兼ねたスリングを召喚する。それに子狼を包むと、チビは安心したように寝息を立て始めた。

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