おい魔王、お門違いにも程があるぞ
「帰って来たか、高橋よ」
魔王め、こんなチートだらけの異世界に召喚しやがって。
「どうやら、この世界のデスゲームに触れてやる気に満ち溢れておるようだな」
おい、こいつ空気読む力ゼロかよ。
「いやー、この世界のデスゲームはレベルが予想以上に高くてビックリしましたよ~」
主に人のレベルがな。
「ははは、謙遜せんでよい。それで、今回お主にはエルフの1000人規模のデスゲームを行って欲しい。」
「結構な大規模ですね。準備やら大変そうです。」
てか、こういうのは建物の建設やら人員やら道具やらで大変なんだよな~
「その点は、お主らの世界と違い魔法があるから大丈夫だ」
便利だな魔法!!
聞くとこによると建築魔法やら創造魔法やら神からの恩恵で大抵のことは出来てしまうらしい。
便利だな魔法!!
「さて、さっそく準備にかかって欲しいとこらなんだが必要なものはあるか?」
「エルフについての情報とこの世界について詳しい人ですかね。なにぶん私はこの世界の事について疎いので。」
「ふむ、よかろう。その条件に合う人物に心当たりがあるので後程派遣しよう。」
「ありがとうございます。」
詳しいとなると長生きしてる歴史の生き証人みたいなおばあちゃんかな?
「デスゲームはいつ頃に開催できるか?」
普通は1年くらいかけて準備するんだけどなぁ~
1年なんて言える空気じゃねえな~
「そうですね…ちなみにこの世界のデスゲームの準備期間はどれくらいなんですか?」
こちらの基準を参考にするしかないか。
「2週間だ」
はっ!?
「それは準備がずさんなのかな」
それは随分と仕事が出来るのですね。
「思ってることと口にしてるのが逆になっとるぞ」
心を読まれた!?
「ああ、心は読んでないぞ」
この魔王テンプレを知ってやがる…
「まあさすがに2週間は求めていない。3か月ぐらいを目処に進めてくれ。」
しかも気を使われた。
「ご期待に添えるよう取り込みます。」
ーーーーー
イザベラさんに案内されたのは仕事部屋として与えられた一室であった。
「こちらが高橋さんの仕事部屋になります。中に魔王様が使わした方が既に到着しております。」
「ありがとうございます。」
「では私は失礼致します。」
やっぱり手伝ってはくれないんだね!うん、知ってた!!
俺は相変わらずのいい尻を見送り扉を開けた。
「こんにちは、高橋さん。この度あなたの仕事を手伝うように言われたエルフのアイズです。どうぞよろしく。」
そこには金髪長身耳長のスレンダー美女が立っていた。
「よ、よろしくお願いいたします。ヒューマンの高橋です。」
ん?エルフ?これからエルフに対するデスゲームの計画を立てるのに一緒に仕事するのがエルフ?
「あ、あのアイズさん、今回の仕事の対象なんですがあの…」
「エルフですよね?大丈夫です!エルフ殺しには定評があるアイズですから!」
おーーーーーーーーと、こいつさては相当ヤバいぞ?
「そ、そっか頼もしいよ」
おい魔王、人選がお門違いにも程があるぞ。