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5話 少年A、魔道の門戸を叩く

「頼みですか?出来ることはしようと思うんですが何分何をしようにも」

「うんうん、大丈夫大丈夫。お姉さんにまっかせなさあい」


 フェイさんはそういって後ろの手を引くとそのままバックヤードに。

 何する気なんですかねぇ・・・。ワクワクが止まらんですよ。

 

 バックヤードは理路整然と並ぶデバイスの山。山どころか山脈だった。デバイス一つで大体村の住人なら2月はゆうに暮らせるほどの価値を持ってる。そのことからもここに有るのは一財産どころじゃないはずだ。

 それだけじゃない。居並ぶ棚の向こうにはポッカリと意図的に開けた空間。そこに机やランプ、ガラス器具や書物などが置かれていた。


「ここはねえ、私の研究室兼在庫倉庫になってるの。で、ここに有るデバイス全部が販売在庫・・・のハズだったんだけどねえ。途中で不要だからって買い取らなくなったものなんか持ってね。あ、不用意にさわらないでね?すごく神経質な子もいるから」

「これ全部デバイスですか・・・すごい。これなんか凄そうですよね、見た感じなんですけど起動させるのに必要なオドがシャレにならないくらい多い」

「・・・そこまで解っちゃう?」

「はい。なんとなくなんですけど」

「んふふふ、久々にドキドキしてきちゃったなぁ。よしココ。着いたわあ。ジードくんにはこのデバイスの初期起動をしてもらいたいの」

「初期起動・・・ってことは、ええっとすみませんあんまり知らないデバイスの起動は怖くて」

「関心関心、そうよね。ってことでまずは雇用契約しちゃいましょう!」


 そう言ってフェイさんは棚から羊皮紙を広げ、粘性の高い透明なインク瓶を取り出すとそこに指先から血を垂らし始める。

 血を吸った透明なインクは数滴で即座に赤黒い液体となる。

 早速羽ペンをインク瓶に付き入れて十分に均したあと羊皮紙に書き始めた。


「んー・・・こんなところかしらね。ジードくんも確認してもらえるかな?あ、字は読める?」

「古ガリア王国語と現代共通語までなら読み書きはできます」

「優秀優秀。じゃあこれを改めてほしいの」


 そう言って羊皮紙をコチラへ向き直し渡してくる。

 あらましとしては

 ・イリジドルへの派閥へは取り込まない

 ・身体、金銭、精神、生命などに対し修養以外のことに於いて危害を加えない、指示があった場合都度確認と従事の可否の選択権はあるものとする。

 ・前記指示において当フェイの魔法店業務に寄与するものとする。

 ・雇用時は従業員兼魔道士見習いとして当施設長へ助力するものとする。

 ・雇用期間は特に定めはなく、双方の合意とともに解約とする。

 ・時給、日当、月給、棒給は発生しない。ただし魔道士として依頼し、欧使節に金銭的寄与が発生した場合、査定によって支給するものとする。

 

「・・・随分と僕よりの条件ですねこれ。いいんですか?


 破格の対応である。何よりこの雇用契約書の後半については希望する将来像に近い形であることも確かだし食いっぱぐれることもなさそう。


「うん。まあ内弟子に出来ないと言ってもね、あんまり例外的なことだと私が対応できませんし。それに私が期待するところもあるんです」

「それがデバイスづくりですか。興味深いのは確かですしそこは良いんですけれど」


 僕が唯一魔道的な現象を発言させることが出来るデバイス。それを研究できるというのはとても興味深い。調査欲求がムラムラうずくのを感じる。結構、ならますます気になりますよぉ。

 

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