大人と子供の中間地点
昔書いたものですー
よくわからんです^^
「帰りたい」
これが私の口癖で、最近家に帰っても思うようになった。
いったい私はどこへ帰りたいのだろうか───
日曜日の午前2時。もちろん高校は休みである。
そんな日に私は図書館に勉強しに来ておきながら、爆音で音楽を聞いてる。
ずっとノートに書いている文字を目で追っているが、頭に入ってきているわけがない。
テストはまだ先なんだから勉強しなくてもいいんじゃないかなんて思うけど、親からの圧力がある。仕方ないから形だけでも・・・と思ったため、今に至る。
顔を上げると、図書館には同じように勉強しに来ている人が何人かいた。
まあみんな真面目に黙々とページをめくり何かを書いているじゃないか、素晴らしいね
と誰目線かわからない感想を抱く。そんな人たちを見て、いい子でいる必要性を考えてみたがあまり見つからなかった。
もういいや、やる気ないし
そう思って音楽を止め、ノートを閉じた。
せっかく図書館に来たんだから小説でも見てみよ
席を立ち、小説を並べてある本棚へと歩いていく。
館内は自分ひとりなんじゃないかと錯覚するくらい静かである。
自分の足音がこんなに大きい音に聞こえるのは初めてかもしれない
いくつも並んだ本棚の間を進んでいくと、小説コーナーを見つけた。特に読みたい本があるわけでもないため、適当に見て回る。なかには読んだことのある本もあったが、だからといって何か思うことがあるわけでもない。
あれ?そういえば中学までは小説が好きで毎日のように読んでいたのに・・・
何も感じない
なんだこれ?
いつからこんなにんげんになったんだ?
気持ち悪くなった。
今の自分は誰なんだ?
いつから本を読まなくなった?
この本だって中学の時はあんなに好きだったのに
3回くらい読み返したはずなのに
今となっては何とも思わない。どうやらいつの間にか私の楽しいと思える物が、時間が、無くなってしまっていたみたいだ。
音楽だって好きだったはずなのに、今となってはただの作業用BGM。
こんな日が来るとは。
いや、いつの間にか来て、気づかないうちに過ぎ去っていたとは。
これが大人になるということならば、私は一生子どものままでいたかった。
その日私は昔の自分が大好きだった小説を借りて帰った。帰り道に見た夕日は朱くて眩しくて、どこか懐かしく感じられた。
家に帰るといつものようにご飯を食べてお風呂に入った。夜、寝る前にベッドにうつぶせになりあの本を読んでみた。
内容はもちろん昔のまま。今読んでも別におかしいところはないしっかりしたストーリーである。だが読んだ感想はこれ以上特に何もない。
「もう戻ることはできないのか・・・」
そう呟くと、電気を消して布団に入った。外は静かで自分の呼吸する音だけが聞こえてくる。今日行った図書館の静けさを思い出しながら私は眠りについた。