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2話

 というわけで俺は城下町に暮らすことになった。

 流石にお城には住めないらしい。

 でも毎日通わなくてはいけないが。

 そして城下町といっても結構いいところでベッドの布団はふかふかだしソファも柔らかいし最高だ。

 元の世界に戻るのいやになりそうだ……。


「こんにちは。杉崎雄吾ですが……」


 緊張で声が小さくなってしまう。

 だって、天井とか高くて部屋の大きさも大きいし!

 しかも床はとても綺麗に掃除されてるし!

 なんか気後れしちゃうなあ……。


「あ、勇者様ですね! お待ちしておりました。こちらの扉をはいってください」


 受付嬢に笑顔で案内されて扉を開ける。


 入ると王女様が奥の方にある豪華な椅子に座っていた。

 前見たときはどちらかといえば丁寧な感じがしたが今は威厳が感じられる。

 表情も引き締まっているような感じがするし。

 近づいて思わず、気を付けの姿勢をとってしまう。


「そんなに構えなくてもいいですよ」


 その姿がおかしかったのか王女様はくすくすと笑いだした。

 上品な笑い方だな……。

 やっぱり育ちが違うと品も違うのか……。


「あ、えっと……」


 こういう時どうすればいいんだ?

 一般庶民歴16年の俺には想像がつかない。


「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はステファニーといいます」


 椅子から立ち上がり軽くお辞儀する。

 ドレスの裾を軽くつまんで足を片方後ろに引いて。

 なんかドラマでも見ているみたいで現実感がない。


「俺は杉崎雄吾です」


 俺もぎくしゃくとした礼を返す。

 なんか苦手なんだよな、こういう感じ。


「知ってますよ、昨日聞きましたから」


 確かにつっこんだ時に名前言った気がする……。


「俺はここで何をすればいいんですか?」


 とりあえず気になることだけ聞いておこう。

 ツッコミをすれば帰れるというのは聞いたけどよく分からない。


「簡単ですよ。私がボケた時につっこんでくれればいいです。というわけでよろしくお願いします!」

「よろしくお願いしますって言われても……」


 流石にいきなりつっこんでくださいと言われてすぐつっこめる人はいないだろう。

 ボケがないとツッコミもできないし……。


「とりあえず私は朝ごはん食べてきますね」

「いや、もう12時だから! 昼ご飯の時間だから!」


 時計を見て思わずつっこむ。

 すると部屋の真ん中に飾られていた球体が黄色く光った。


「私がボケる前にツッコミをいれて球体を光らせるなんて……。さすが勇者ですね!」

「いや、今のボケじゃなかったの!? 言い間違いならわかるけど……」


 この時間で朝食はないだろう。

 あと二時間くらい早ければ納得だけど。


 さっきのツッコミで少しだけ光が溜まった。

 でもまだまだだ。

 この調子で生活が続くのだと思うとため息を吐いてしまった。


「深呼吸すると幸せが逃げますよ?」

「これはため息ですし、深呼吸は落ち着くためにするんですよ!」


 なんかいろいろと混ざっていた。

 どうやら王女様は素でボケることができる体質らしい。


「じゃあ朝食食べに食堂に行きますね!」


 そう言って手を引っ張る王女様に俺は


「だから今の時間だったら昼食だって!」


 と叫ぶことしかできなかった。

2016.6.12 誤植に気付き直しました(内容自体に変更はありません)

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