19話
「……というわけなんだよ」
俺が城下町から帰ったとき、雄吾が訪ねて来た。
話があるらしく聞くとどうやらステファニーのことについて。
かいつまんで話してくれたが、確かに友達がいないのは辛い。
しかし雄吾がいなくてあっちの世界はきっと寂しい思いをしている人もいるだろう。
だから、帰るのは絶対だ。
そのために俺もここに来たわけだし。
「雄吾、それはやめとけ」
友達の考えには基本賛成するけど流石にそれはリスクが高すぎる。
旅行みたいに帰りたいとき帰ってこれるわけでもないんだから。
「でも、ステファニーが……」
「確かにそうだ。だからこう考えればいい」
俺が耳打ちをすると雄吾は、
「それはいい!」
と目を輝かせた。
* * *
次の日、俺は城下町に行った。
「樹ー!」
「いきなりつっこんでくるな!」
八百屋の前を通ると、いきなりタックルしてくる奴の姿があった。
もう何回もやられているので避けるコツはつかめている。
「アミカはいつも元気だなあ」
樹が、アミカと呼んだ少女は赤いショートカットの髪の毛がサバサバした印象を与える女の子だった。
年は10代後半位だろうか?
服は質素で、少しほつれているシャツとズボン、靴だけだった。
「アミカいっつも元気だもん! というかねー、この国の人皆元気っ!」
少し子供っぽいしゃべり方だがとても元気がある。
「樹も元気じゃん」
髪の毛と同色の瞳で樹を見る。
同い年のはずなのだが、一般より少し低い樹よりも更に低いアミカはやっぱり妹のようだと樹は感じた。
「まあな。それよりいい知らせだ! 友達になってほしい子がいるんだ」
「友達? どんな子、どんな子!?」
食いつき気味に襟をぐっとつかむ。
「ぐえっ。離せ!」
「あ、ごめんごめん」
悪びれもせず謝ると続きを急かすように、
「で、どんな子なの!?」
と樹の体を揺らす。
「それはな、ステファニーだ!」
「すてふぁにー? 王女様と同じ名前だねっ!」
「その王女様だ」
「そっか、王女様なんだ! ……ってえ!?」
目を丸くして驚くアミカに樹は、
「そうだ。今日会う約束をしてきた。一緒に行こう」
「本当に!? あのステファニー様なの!?」
瞳をルビーのように輝かせながらアミカは問う。
「ああ、そうだ。今日は少し遅くなるかもしれないからお父さんに言っといてくれ」
「分かった! ちょっと待ってて!」
すごいスピードで家の中に戻り、許可を取ってくる。
「大丈夫だって! 行こう!!」
こうして樹とアミカはお城に行くことになった。




