17話
「めっちゃ速かったな!」
「何でお前そんなに元気なんだよ……」
ステファニーの荒い運転に嬉しそうに言う樹。
そういえばこいつ、ジェットコースター好きだったもんな……。
「とりあえず、中に入りましょうか」
ステファニーの言葉に俺達は頷いてお城に入った。
* * *
「それではお話があります」
改まった様子でステファニーが言う。
「勇者のことなら知ってます」
それにつられた様に樹もやや丁寧な口調になる。
「確か、ツッコミをして球体にパワーが貯まったら戻れるんですよね?」
「はい、そうです。そして二人以上が来るとどちらか片方は戻れなくなってしまうのはご存知でしたか?」
その言葉に樹は目を見開く。
きっと聞いたことがないのだろう。
当たり前だ。あの機械は有無を言わさずここに連れてきたのだろうから。
「その様子だと知らなかったようですね……」
その表情を読み取ったのかステファニーは困ったように眉尻を下げる。
「はい……。それは絶対に戻れないんですか?」
「いいえ。戻れます。ただ、球体に出来るだけ早く光を集めなくてはいけません。その期限は9日です」
ごくり、と息を呑む音が聞こえた。
「一応あなたは昨日3分の1貯めていたので無理な目標ではないでしょう」
ちらりと奥の方にある球体を見て告げる。
その球体は既に5分の2ほど貯まっていた。
「ただ、ひたすらにつっこめばいいというものでもありません。意識して作ったツッコミではあまり貯まりませんから」
「そうなんですか……」
「まあ、出来ないことはないはずです。とりあえず期限ぎりぎりまでがんばってみましょう。私以外でもボケてくれる人がいれば光は貯まりますから」
そう言って締めくくり俺の方を見る。
「二人で分かれてやるか、それとも一緒に行動するかは自由です。ただ、二人でやった方が効率はいいでしょうが」
「分かりました。雄吾、とりあえず雄吾はステファニーのそばでツッコミ頼む!」
前半はステファニーに向けて、後半は俺に向かって言った。
「任せろ。樹は城下町か?」
「ああ」
こうして俺らの元の世界に帰るためのツッコミが始まった。
遅れてすみません。




