第1話 炎天下
ザクッザクッ
炎天下に照らされた草木。
昨日雨でも降ったのか所々水滴が点々とみえる。
青々と茂った森の中、川と鳥の声が歌っているようなところに土を掘り返す音がする。
燦燦と輝く太陽の下から掘り返す音。
カラカラとした土にクワが大きな音を立て、土を掘り返す。掘り返した土に大量の土が掛かる。
そしてまた音をたてながら土を掘り返し、大量の水がそこに掛かる。
そんなやり取りをしている場所がひとつあった。
その場所には3つの人の影があった。
一人はクワをもって何度も耕してはまた同じことを繰り返し作業をする上半身裸の大男。大きな体からは何かに引っ搔かれた痕なのか腹のところに3本の爪痕と額のところに同じ爪痕が残されている。
痛々しく思えるが大男はそれを勲章とでも言わんばかりに見せ付けている。
一人は大男と同じようにクワを持って土を耕している女性。
長い金髪を上に束ねてポニーテールにして作業をしているが、この金髪の女性、どこからそんな力が湧いてくるのかと思わせるほど体つきは細い。
一人は大男と金髪の女性とは違い小さな影。
女の子だった。
今にでも壊れてしまいそうな水バケツを手に持ち、二人が耕したところに水を撒いていた。その女の子は長く赤い髪を横で縛ってツインテールにしている。
赤い髪の毛は下のほうにメッシュがかかっていた。
こんな幻想的とも呼べる場所にさほど大きくはない小さな畑に3人はいた。
場所的に不似合いなところにある畑はこじんまりしていた。
「ミカ!お水くんでくるね!」
笑顔いっぱいにそういった赤い髪の女の子は誰かの名前を呼ぶ。
「気おつけてね?」
「はーい」
どうやらミカという人物は金髪の女性の名前のようだ。
ミカは女の子を少し心配そうな顔をし、見送って作業に戻った。
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とてとてと今にでも転んでしまいそうな危なっかしい歩きで空バケツを持ちながら女の子は川へ向かう。
道中動物達にも会い、どうやらその動物たちは懐いているのか女の子に近寄る。
女の子は名残惜しそうに「また今度ねっ」と言いながら目的地に走った。
軽く肩を揺らし、呼吸を整えながら女の子は水を汲み始める。
「?」
異変に気付いた。
いつもならこんなに川は濁っていないはずなのに少しだけ濁っている・・・。
おかしいと思いながら上流のほうに目を向けると、上流のほうに白い何かが倒れていた。
「なんだろう・・・」
恐る恐る近寄ってみると、その何かは人だった。
透き通った白い髪の毛に整った顔立ち。どこか女性のように一見見えるかもしれないが精悍な顔立ちから男性だと伺える。
服は青いタンクトップの上にフードつきの上着を着た少年だった。
ぜんぜん喋ってなくてすみませんwwwww
次回からは喋ると思いますww