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Sweet×Sweet  作者: 椎名璃月
8/31

Story 7;光と闇のなかで

 あの事実を知ってから、あたしには前みたいな余裕とか自信とか、全部なくなった。

 やっぱり…って。

 たとえ誠斗さんとお母さんが再婚したって…あたしと朔斗の関係は何も変わらない。好きなものは好き。兄妹って言ったって、所詮血はつながってない…って思ってたから。でも…今となってはそんなこと言えないんだ…。

 …宣戦布告、心の中でしたけど…朔斗、ごめん。エリと付き合った方が、いいよ…。

 こんな重いこと、朔斗に言えるわけない…


  翌朝…あたしは朔斗の前でだけ、引きつるギリギリの笑顔を見せて無理矢理学校へ行った。もちろん、エリの前でも。

「麻ー依っっ!どう?清楚っぽく見える??」

 エリはかなり下の辺りで髪を2つしばりしていた。いつものまとめ方から、イメージが一変した感じ…。可愛い。

「可愛いじゃん!!いつものじゃないから早起きでもしたんじゃないの〜?」

「なんでわかったの!?麻依天才っ!高…じゃない、朔斗くんに見てほしかったからねっ!!今日、マーブルチョコケーキ焼いて来たんだぁ。あの麻依が好きなヤツ!朔斗くんにあげるんだぁ〜♪」

「そっか。頑張れ〜!

 こんなこと言っちゃういいコの自分、前は嫌いだったけど今は本心だよ…。

「…そう言えばめずらしくない?結構麻依、前は朔斗くんと登校してたりしたのに…?」

「あー…最近ちょっとケンカ…っぽいことしちゃって」

「そっかぁ…じゃあ、じゃあさっ!エリ望みあるよね!」

「うん!エリ、めっちゃくちゃ可愛くなったよ!」

「じゃあ…今日告ろうかな…」

 …!?

「前々から考えてたの。いぃよね!?」

 涙…出そう。

 あたしはこの一言で、朔斗への想い、振り切る…。

「いいんじゃない?お似合いだよ…朔斗とエリ…っ!」

 最後のほう、言葉になったかな。

「…麻依!?」

 涙なんて見られたくなくて、見られたら終わりだって思って、あたしはその場から立ち去った。

 

 学校帰りに朔斗と寄った、小さな小さな公園。

 

 あの想い出が…愛しすぎる。大きすぎる。

 

 なんで…一緒にいちゃいけないの?

 

 好きだよ。大好きだよ。

 

 朔斗。朔斗。朔斗…。 


 何度だって呼ぶよ。


 愛しい愛しいあたしの初恋の人。


 今だって信じられない。

 

 あたしと朔斗が、異母兄妹…なんて。


 あふれてくる涙は、止まらなかった。


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