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せっかく転生したのに日本でスキルが通販スキルなのはさすがにひどくないですか?  作者: 色蓮
2章

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第52話 交渉

 この物件の大きな問題は初期費用の高さなのは間違いない。

恐らく何件か問い合わせが来ても決まってない理由の一つがそれだ。



もう一つの問題は実際にここを借りる事になった後に発生する問題だ。

「繁華街が近いの気になるんだよ…」

「ああ、確かに徒歩でいける範囲だったわね」



繁華街の近くの場合は、騒音問題もあるが治安の問題もある。

特にこんな見た目が整った女性ばかりというのはとても不安になる。

今までは閑静な住宅街?…住宅街じゃなかったかもしれないが…まぁそれはそれとしてそこまで気にならなかった。



「便利でいいんじゃない?すぐ遊びにいけるし」

「楽観的だなぁ…」

いやまぁ、アヤネの感覚だとそうか…そこらの人間じゃ相手にならないのは向こうの世界で嫌っていうほど実感したし…。



「騒音とかあるじゃん?」

「ここ完全防音だし気にならないんじゃない?さっきから外の音全然聞こえないし」

くっ…それは気付いていたがやはりダメか…。



騒音や治安の悪さを理由にここを拒むのは難しいようだ。

まぁ俺としても出来ればここで決めたい。

厄介事の方は俺がなんとかするか…。



「まぁみんなが良いならここにしようと思うけど…」

「異議なし」

とアヤネが開口一番に賛成を表明する。



「正直金額が怖いのだけど…まぁ悪くはないと思うわ」

母は金額の事を心配しているようだ。

「私は特に反対はしないけどさすがにいくらかお金は出させて頂戴」

祖母はお金を出そうとしてくるが…。



「ああ、お金の心配は大丈夫、それに出してもらうと税金関係がめんどうだから」

と尤もらしい理由を言って断った。



そんな話をしていると担当者が戻ってくる。

「お客様おまたせして大変申し訳ございません…さすがに明日入居というのは…」

「オーナーに今なら電話繋がります?少しお話をさせて頂きたいのですが?」

「えっいや…」

「そちらとしては悪い話じゃないと思いますが…」



ここの物件は出来ればここで決めてしまいたい。

それが担当者としての本音だろう。

「お願いします、別に悪いようにはしませんので」

「わかりました、確認します」



そうして担当者は、また電話をかけに行ってしまった。

「ねぇ直接交渉なんてして大丈夫なの?」

と母から心配される。

「ん?大丈夫大丈夫。事前にここのオーナーについては調べてあるから」

「そ、そうなの?」

と少し心配そうな顔をしているが大人しく任せてくれた。



担当者が戻りどうやら話ができるようだ。

そのまま外に促される。

「みんなは、まだ部屋見てていいよ」

そういって担当者と一緒に外に出る。



「どうも、お電話代わりました。進藤です。」

「お客さん貸し出したいのは山々なんだが…さすがに明日は無理ですよ。こっちにも色々準備ってもんがあるんだから」

「いえいえ、そちらとしても出来ればすぐにでも契約をしたいと思ってると思って提案してるだけですよ」

「それにしたって明日はね~こっちも身体が空いてないし」



「盗聴器やカメラを設置するのに忙しいからです?」

「はぁ!?何を言ってるんだお前は!」

俺の言葉に相手の態度が急変する。

「実際のオーナーは別名だけどあんた昔、若い女子大生の専用のアパートにカメラとか設置して問題になった森川忠オーナーだろ」

「はっ何を根拠にそんな事を」



根拠も何も登録されているオーナーはあんたの親類。

土地自体はあんたの名前になってるんだからたどり着くのは別に難しくない。

「こっちが女だらけ、しかも若い女ばっかりって聞いて内見させただろ」

「だから何を根拠にそんなこと言ってんだ」



「ここの物件、俺の名前で一度申し込んだら断られたんだよ」

怪しいと思って母の名前で申し込んだらすぐに通った。

しかも車で送迎するので人数も入れろというメールが届きそこにはなぜか男の人数と女の人数を入れるフォーマットになっていた。



「それで、物色は出来たんだろ?なんなら今も見てるだろ。向かいのマンションに住んでるんだから」

「一体なんのことやら」

ここの一番の問題はこのクソオーナー。

物件は申し分ないのだが…。



「そっちがとぼけるっていうのなら今も部屋に設置してある盗聴器やらカメラを持って警察にいってもいいんだぞ」

実は部屋に入ってすぐに下駄箱に設置されているカメラを発見している。



「ぐっ…それは防犯用だ。入居が決まればすべて外す事になっている…だからその時間が必要という話で…」

「そういう言い訳が通るかどうかは司法の判断とあんたの家で何も見つからなかった場合だな」

「くっ…」

「良いから、さっさと契約しろ。そっちを潰す材料は他にもすでに用意してるんだ。今すぐ契約に来ないなら諸々持って警察に突き出すぞ」



その後、しばしの沈黙の後…。

「分かった、すぐに契約する」

「明日には専門の業者入れて点検するからそれまでに全部外しておけよ」

と脅しをかけた上で契約することになった。



「終わりました、今の会話の内容は録音してあるのでそちらの対応はお任せします」

「はい…」

気まずそうな担当者との会話を終えてすぐに先ほど話した人とは別の名義のオーナーがやってきた。



「契約の際のお金なんですけど何か言伝されてませんか?」

「ああ、いや…えーっと…」

気の弱そうな男性だった。

書類上は40超えてるはずなのだが…。



その男性に近づき…

「言いなりになってるだけなら早く切ったほうが良い、もうすぐ色々明るみにでるぞ」

と耳打ちをしておく。



「は、はい…ええっと施工費の負担は不要との事でした」

担当者が驚きの表情を浮かべていた。

「そちらの費用はこちらで負担しますので…」

「ありがとうございます」



という訳で当初1000万だった費用は500万に収まった。

はぁ…面倒な…まさか評判通りというかなんというか…。

カメラの類を見つけなければ何もしないつもりだったのだが…。



怪しいなとは思っていたのだが、部屋の内容がかなり好条件だったので仕方なく申し込みをしたのだが案の定だった訳だ。



ちなみに内見中にすでにカナに連絡を入れておいた。

「早速かかってくるとは思わなかったわ」

「悪いんだが、森川忠っていう不動産のオーナーのことなんだが…」

と話を振っておいた。



「私の方で警察に根回ししておくわ」

との事で入居してから1週間後に別の場所でも似たような事をしていたようでそのまま逮捕。

その上で前借主関連での余罪がボロボロ出てきた上に前回のように金で示談にも出来ずそのまま実刑を喰らう事になったのであった。



◯あとがき

更新時間間違えており更新遅れました。

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