表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
せっかく転生したのに日本でスキルが通販スキルなのはさすがにひどくないですか?  作者: 色蓮
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/65

第49話 交渉

 とんでもない2人に圧を受けながらも口を開いた。

「今からするのはすべて例え話だと前置きをしておくぞ」

その言葉に2人の眉間に若干シワがよった。



「昔々…」

から切り出し前世の生い立ち、そして眼の前にいる2人との出会いを含めて詳細に語りだす男を見て2人は食い入るように話に耳を傾けている。



「そして男は、風俗で一線を超える前に心臓発作で命を落とした…」

「ぶっ!」

「フッ!」

「おい、その笑いやめろ」

「いやいや完璧なオチだろ?」

「ええ、見事なほどに…」

と話の腰を折られながらも…。



「まぁその後、どういう訳か赤ん坊に転生して今に至るって訳」

「本当に転生ってあるのね」

「死に方の芸術点が高いと転生出来るらしいから試したらどうだ」

「さすがにそんな愉快な死に方はしたくないな」

と2人からは苦笑いを浮かべられる。



「これで分かってもらえたか?」

そう言うと…。

2人は手元からボイスレコーダーを取り出しスイッチを切った。



「その例え話には間違いと続きがあるぞ」

そう言われて何か間違えたか?

と頭をひねるが…。



「うちの工場を救ってくれた話とカナをクソ親から助け出した話が抜けてるだろ」

「そうよ、あなたがいなかったら私達2人はここにはいなかったわ」

「そんな事かよ」



俺のやったのは、立ち直る見込みのあった工場に出資したことと再建の為のアドバイスとしただけのこと。

カナに至っては、結局証拠集めだけやっただけで最後は行政の手を借りたんだ俺の手柄でもなんでもない。



「ほんとそういう、さも当然だろみたいな顔をするところは昔と変わらないのね」

「ああ、救ってやったぞって恩に着せてくれたほうがまだマシだ」

「俺は手伝っただけで救われるべくして救われただけだろ、工場は今も稼働しているみたいで何よりだ」

事前に調べたのだが、まだ司馬の工場は元気に稼働していた。



「ああ、今は弟が継いでるよ。俺の知名度のおかげもあるが盛況だ」

「それはそれは出資した甲斐があったってもんだな、それで続きってなんだ?」

その後の事は俺は知らない。

なんせ俺はただの一般人死んだ後の事を調べても心筋梗塞で死んだという事しかわからなかった。



「「…」」

2人はきまずそうに黙った。

「ん?」

「私達がどんだけ悲しかったと思ってるの…」

カナは涙を浮かべながら口を開いた。



「事件性も疑って一緒にいた女性も調べた…だけどお前意識失くす前に彼女にすまない、彼女ってことにしといてくれって言ってたみたいだな」

おう、やめてそのくだり恥ずかしい。

「事件性はなく、本当に緊張による心筋梗塞で死んだって聞いた時は、ふざけるなよと思ったぞ」



「ふざけてはねーのよ」

「どこにもぶつけようの無い悲しみがどれだけ俺達には辛かったかわかるのか?」

「私達の恩人がこんな事で死ぬなんて思ってもいなかった」

ここは茶化しちゃダメっぽい。

出来れば笑い話で済まして欲しかったのだが…。



「そうしたらなんだ転生した?ふざけてるだろ」

「いや、だからふざけてはないのよ。ただの成り行きなだけで」

「ふざけてるでしょ!なんでもっと早く連絡してこないのよ!」

涙を溢れさせながら怒られてしまった。



軽く流しておきたかったのだが…まぁ仕方ないか…。

「出来れば前世の事は完全に断ち切ってそのまま生活していくつもりだった」

これは本心だ。

眼の前にいる2人には親友だと思っていても関わるつもりは無かった。



「2人がそこまで恩に感じてるとは思っていなかったよ。前世でもそんな態度出してなかっただろ」

「お前が、さも当然の事をしただけだから気にすんなって空気をずっと出してたからだ」

「そうよ、私のために用意したお金も工場への出資したお金も返してもらってないでしょ?」

「カナのはさすがに貰えないし、工場はせっかく盛り上がってるのに水を差すのもな」



「そういうとこだ」

今度は、官房長官のおっさんから怒られてしまった。

なんて恐ろしい。



「まぁ、正直前世の関わりは全部断ち切って今世は生きるつもりだったんだ。ただ頼らざる得ない状況になってしまってな」

2人は涙を拭きながらこちらへと向き直る。



「あんたが頼るなんてよっぽどじゃない?」

「いいぞ、やっと恩が返せるんだ。なんでも言ってくれ」

「それは心強いな、実はちょっと前まで異世界に行っててな」

「「…はぁ??」」

少し間をおいてからさすが夫婦2人と揃って同じ言葉を口にした。



「異世界人を保護して帰ってきたから戸籍やらなんやらその他諸々なんとかしたいんだよって事でここは一つふたりの力を借りれないか?」

「「………はぁああああああああ?」」

おいおい、フロアまで声が響くんじゃないか?

長年連れ添うとここまでシンクロするのかと関心しながら今後の事を相談するのだった。




転生神サマside


「さすがの徳盛り男ねぇ…あそこまで慕われてるとは」

彼は元々それなりの裕福な家の子供だった。

まぁ裕福といっても大手企業の課長クラス位ではあったのだが…。



父親が趣味でやっていた競馬をオンラインから勝手に購入してそれが見事に大当たり。

小学生にしてはありえないほどの大金を手にしていた。

まぁ法律上は父親のお金なのだが、そこは父親の計らいで全額子供に使って良いお金として渡したのが始まりだった。



贈与税等の問題もあるので父親名義の口座のお金なのだが将来の為に使いなさいといった。

「ここで全額渡すあたりこの父親もどうかと思うのだけど…まぁ母親にギャンブルしてるのバレたくなかったようだし口止め料も含んでたのかもしれないわね」



そんなこんなで大金を手に入れた彼だったのだが、使うことよりも増やす事にシフトしていった。

一緒にギャンブルして増やしまくるとは父親としても想定外だったでしょうねぇ…。



「なんで当たる奴がわかるんだ?」

という父親の質問に対して

「一番当たる確率が高い奴を買ってるだけ」

と言っていた。



違法は違法なのだが、形式上は父親が買った馬券の配当金を父親の口座に入れているだけでなんの問題もない状態だった。



毎回当てていた訳ではなく投資金額に対してリターンが大きい物を計算して買っていたようだ。

父親も同じ目を買って儲けていたようで税金なんかは父親が払っていたみたいだ。

気付いてからは自分で払っていたようだ。



「まぁそういう背景があったから金で救えるなら救おうってポンポン出してた印象があるのよね…」

救われた方は、そんな事情を知らないでしょうけど…。



結局ギャンブルで増やした泡銭はほとんど人助けに使ってしまったのだからほんとに価値観がズレている。

「まぁその徳のおかげで転生にこぎつけている辺り巡り巡って自分に返ってきているのだから面白いわよねぇ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ