表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

マガタツケン

作者:華蘭藤
 いつか師匠が言った。
「アンタがどんな道を選んでも構わないけどね。これだけは忘れちゃだめよ。アンタの進む道はアンタが決めなさい。誰かに決めてもらった道なんて、ぬるいことやったら、アタシが殴りに行ってあげるから」
 辺りに立ち込める鼻が曲がりそうな鉄の臭いも、体を支える手についたドロリとした感触も、耳が痛くなるような静寂の中に響く師匠の声も、私の頭をガシガシと撫でる大きな手も、瞼を閉じれば目の前に現れるように覚えている。
 それなのに、その時の師匠の顔を私は今も思い出せないでいる。

✽✽✽

 今から約30年前、世界各地に「穴」が空いた。その穴から出てきた化物たちによって、世界の都市のいくつかは壊滅しかけた。
 突如として現れた者たちにより、その化物たちは退治され、そうして世界は平和を取り戻した——かに思えた。
 以来、穴は空いたり塞がったりを繰り返し、人々はそれに対抗する手段を身に着けていった。
 この国では、その穴を「結門(ゲート)」と呼び、そしてそこから出てくる化物たちを「禍枉(まが)」と呼んだ。
 禍枉を倒すことができるのは、「祝(しゅう)」と呼ばれる言葉による術のみ。その術を心得る者を祝法士と呼ぶ。
 そんな、神子(みこ)機関によって管理される祝法士たちの中に、一際異彩を放つ者がいた。

 立花ナオ。
 それは生まれながらにして理を外れるという業を背負った、「禍枉憑き」である。
 理外の術をもって禍枉を倒す彼には、1つの目的があった。
 数年前に失踪した、育ての親を見つけ出し、1発ぶん殴ること。
 その拳に宿るのは、憎しみか、それとも愛か。世界の命運すらもを左右する禍枉との戦いが、ここに始まる——。


※この物語はフィクションです。実在の人物、団体、思想等とは一切関係ありません。
序章 始まりは終わりの味を知っている。
原衛土(ハラエド)11
2025/07/16 19:00
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ