表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/47

第5話 道の駅 『昭和』 ④

「ホント、偶然だね。どうしたの〜?一人かな?僕は、サイクリングコースをひとっ走りしてきたとこなんだ〜。」


普段と違い、化粧っ気の薄い、眠たげな、一目で訳アリとわかりそうなくたびれた装いの彼女。


「…………綾本君、学校と雰囲が気全然違うね?」


答え辛いのだろう事からか、全く関係のない問いが返ってきた。


「う〜ん、どちらかというと、コッチが本当の自分かな?」


敢えて突っ込まずに応えた僕の返事に被せるように、再び彼女のお腹が鳴る音が響く。

恥ずかしそうな、藤城さん。


「行こっか、奢るよ?」


僕は立ち上がり、彼女の左側に進み右手を差し出した。


無言で固まったままの藤城さん。

構わずに、強引に彼女の左手を取って、半ば無理矢理フードコートまで引きずって行く。

あっ、手を握るとセクハラになるかな?不味かったかな?

藤城さんは特に抵抗することもなく、手を振りほどこうとするような事もなく、されるがままに僕に手を握られて歩いて、テーブルに着いてくれた。


「食べられない物、ある?無ければ豚汁モーニングセットがお勧めだよ?」


無言で頷いてくれたので、券売機でチケットを買って注文カウンターへ。

僕は、当然、お腹いっぱいなのでホットコーヒーだけね。


彼女の目の前に、美味しそうな湯気をたてるトレーを置いて、


「さあ、どうぞ遠慮なく!」


藤城さんは、トレーを見つめてしばらくためらった後に、食べ始めてくれた。


食べ終わるまで、コーヒーを飲みながら、ソッポを向きながら、待った。


「………ごちそうさまでした。ありがとう。」


「どういたしまして。落ち着いた?」


「はい。」


「お腹が空くと、碌なこと考えないからね。」


「…………………………どういう事?」


「ごめんね、見るつもりはなかったんだけどね……………………」


「え?何を………………………………」


「僕、視力良すぎてさ、さっきすれ違った時に見えちゃったんだよね、『ゆう子ハタチです!』って画面が。藤城友子ふじしろともこさん?」


「…………………………………………」


明らかに、何かやらかしたときのように、動揺する藤城さん。


「良かったら、話、聞くよ?その様子じゃ、訳ありでしょ?お節介かもしれないけどね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ